対象:Windows 10のPCをまだ使っている人。「もうサポート切れてるって聞いたけど、そのまま使い続けて大丈夫?延長オプションもあるみたいだけど?」という素朴な疑問に、正直に答えます。ここでは攻撃手順は扱わず、リスクの中身と、安全な動き方だけを扱います。
対象と確認範囲:通常版22H2と個人向けESU
本記事はWindows 10 Home/Pro/Pro Education/Pro for Workstationsの22H2と個人向けESUを扱います。LTSC/IoTのライフサイクルや企業向けESUとは期限・条件が異なります。2026年10月16日に確認した公式案内は個人向けESUが2027年10月12日まで、登録済みなら自動継続です。設定 → 更新とセキュリティ → Windows Updateで登録状態・更新履歴を確認し、公式案内の再確認と移行を優先してください。
当サイトの視点:ウイルス対策ソフトではOSの脆弱性は直らない
「セキュリティソフトを入れているから平気」とよく言われますが、これは誤解です。アンチウイルスが見ているのは怪しいファイルや挙動で、OSそのものの脆弱性(カーネル・ドライバ・ネットワーク処理の脆弱性)は直せません。防御の中心はOSのパッチで、AVはその補助にすぎません。OSの修正が止まると、ほかにどんなソフトを入れても、OSの脆弱性は残ったままになります。これがサポートが切れたOSの危険な点です。
いつ何が終わったのか
2025-10-14
通常版22H2のサポート終了。 Home/Pro系の定例セキュリティ更新は終了。個人向けESUの対象端末では、登録により対象の更新を受け取れる。2026-10-16
公式案内の確認日。 個人向けESUは2027年10月12日までと案内され、既登録者は自動継続。2026年10月14日以降に全更新が止まるという従来の説明を訂正した。2027-10-12
現行の個人向けESU終了予定日。 移行をこの期限までに終える。将来の条件は公式で再確認し、LTSC/IoT・企業向け制度に同じ期限を当てはめない。
なぜ使い続けると危険なのか
「ちゃんと動いているし、今まで何も起きていない」という感覚が、いちばん判断を誤らせます。危険は「壊れる」形ではなく、修正されない脆弱性が少しずつ増える形で大きくなります。
具体的には、次のことが起こります。
定例の更新がないと未修正の脆弱性が残る
攻撃者がEOL機を優先的に狙う
周辺のソフトも順にサポートを打ち切る
ウイルス対策ソフトではOSの脆弱性を防げない
延長オプション(個人向けESU)の実態
ESU(Extended Security Updates/拡張セキュリティ更新)は、移行までのリスクを抑える制度です。2026年10月16日確認の公式案内では、個人向けは2027年10月12日までで、既登録者は自動継続。Critical/Importantのセキュリティ更新が対象で、機能更新・その他の修正・技術サポートは含みません。
日本向け公式案内の登録方法は次の3つです。地域・同期する情報・費用を確認して選んでください。
追加料金なし:PC設定の同期
ポイントで交換:Microsoft Rewards
有料:30米ドル相当+税の一回払い
無料の条件・登録方式は国や地域で異なる
EEA(欧州経済領域)向け案内には、Microsoftアカウントでのサインイン継続などの条件を満たす場合の追加料金なしの方式があります。「EEAなら無条件で初年度無料」「日本は無料対象外」という説明は不正確でした。日本にも設定同期による追加料金なしの方式があります。自分の地域の公式案内と登録画面で条件を確認してください。企業向けESUは別制度であり、この個人向け期限や条件を流用しません。
登録条件と対象外の端末を先に確認する
対象は22H2の上記エディションで、最新のWindows更新とESUライセンス準備パッケージKB5126256が必要です。登録には子供用ではない管理者権限のMicrosoftアカウントを使います。
個人向けESUは商用利用不可で、キオスク、Active Directory/Entra参加、MDM登録端末は対象外です。Entra登録済み(registered)は参加済み(joined)とは異なり例外として利用できます。既存のESUライセンスがある場合はその登録状態を確認し、組織端末は管理者に相談してください。
どう対応するか
ポイントはESUで猶予を確保し、その期間内に移行を終わらせることです。
何もせず使い続ける
- 定例の更新を受け取れず、未修正の脆弱性が残る
- EOL機として狙われやすくなる
- 周辺ソフトも順に対応を終え、安全に使える範囲が狭まる
- 仕事用の保険・コンプライアンス要件は契約・規定ごとに確認する
移行する(+つなぎでESU)
- Windows 11ならパッチが再び届く
- ハード非対応でもESUで移行までの時間を確保
- 古いPCはLinuxにすれば更新を受けながら使い続けられる
- 移行を「期限のある作業」として計画できる
まずWindows 11に上げられるか確認する
ハードが非対応なら、まずESUに登録して猶予を確保する
古いPCを延命したいだけならLinuxも選択肢
移行が終わるまでの暫定対策をとる
当サイトはどう考えるか
サポートが切れた環境の扱いについて、当サイトは記事「脆弱性対応の実務」でも同じ原則を立てています。EOL(サポート終了)の機器は、消す前にまず隔離することです。どうしても古いWindows 10機を使い続けたい事情があるなら、最悪なのは「いつものメイン機としてネットに繋ぎっぱなしで使う」こと。逆に、ネットから切り離す・用途を限定する・重要情報を置かないといった隔離をすれば、攻撃者が届く経路を減らせます。脆弱性を直せないなら、その脆弱性に攻撃が届く範囲を狭める。隔離は移行までの暫定策で、安全を保証しません。外部媒体や残る接続経路からのリスクも考慮し、更新が続く環境への移行を優先してください。
ただし本来の対策は、ESUの猶予が切れる前に更新の続くOSへ移ることです。
2026年10月16日の限定訂正と出典
個人ESUの期限・自動継続・対象条件・地域別方式を公式案内に合わせ、旧「1年のみ」「2026年10月14日以後全停止」と無料対象地域の説明を訂正しました。修正の永久停止、保険・規定の一律不適合、隔離による安全保証という断定も改めました。この確認日は当該訂正の範囲を示し、記事の全記述・全原典の再確認日ではありません。