対策・学習14分で読める

Windows 10をまだ使っている人へ:サポート終了後のセキュリティリスク

Windows 10は2025年10月14日でサポートが終了しました。そのまま使い続けると何が危険か(修正されない脆弱性が増え続ける・狙われやすくなる)、有料/無料のESU延長オプションに何が含まれ何が含まれないか、そしてWindows 11移行・機器更新・Linuxという選択肢までを、当サイトの運用視点で正直に整理します。

本文を読む
公開日
更新日
目次

対象:Windows 10のPCをまだ使っている人。「もうサポート切れてるって聞いたけど、そのまま使い続けて大丈夫?延長オプションもあるみたいだけど?」という素朴な疑問に、正直に答えます。ここでは攻撃手順は扱わず、リスクの中身と、安全な動き方だけを扱います。

対象と確認範囲:通常版22H2と個人向けESU

本記事はWindows 10 Home/Pro/Pro Education/Pro for Workstationsの22H2と個人向けESUを扱います。LTSC/IoTのライフサイクルや企業向けESUとは期限・条件が異なります。2026年10月16日に確認した公式案内は個人向けESUが2027年10月12日まで、登録済みなら自動継続です。設定 → 更新とセキュリティ → Windows Updateで登録状態・更新履歴を確認し、公式案内の再確認と移行を優先してください。

当サイトの視点:ウイルス対策ソフトではOSの脆弱性は直らない

「セキュリティソフトを入れているから平気」とよく言われますが、これは誤解です。アンチウイルスが見ているのは怪しいファイルや挙動で、OSそのものの脆弱性(カーネル・ドライバ・ネットワーク処理の脆弱性)は直せません。防御の中心はOSのパッチで、AVはその補助にすぎません。OSの修正が止まると、ほかにどんなソフトを入れても、OSの脆弱性は残ったままになります。これがサポートが切れたOSの危険な点です。

いつ何が終わったのか

  1. 2025-10-14

    通常版22H2のサポート終了。 Home/Pro系の定例セキュリティ更新は終了。個人向けESUの対象端末では、登録により対象の更新を受け取れる。
  2. 2026-10-16

    公式案内の確認日。 個人向けESUは2027年10月12日までと案内され、既登録者は自動継続。2026年10月14日以降に全更新が止まるという従来の説明を訂正した。
  3. 2027-10-12

    現行の個人向けESU終了予定日。 移行をこの期限までに終える。将来の条件は公式で再確認し、LTSC/IoT・企業向け制度に同じ期限を当てはめない。

なぜ使い続けると危険なのか

「ちゃんと動いているし、今まで何も起きていない」という感覚が、いちばん判断を誤らせます。危険は「壊れる」形ではなく、修正されない脆弱性が少しずつ増える形で大きくなります。

更新確認
ESU対象外では定例のOS修正を受け取れない
増え続ける
時間が経つほど既知の脆弱性が増える
周辺も終了
ブラウザ・各種ソフトが順次対応打ち切り
標的化
EOL機は修正されないと分かっているので狙われやすい

具体的には、次のことが起こります。

1

定例の更新がないと未修正の脆弱性が残る

ESU未登録・対象外の通常版22H2は、定例のOSセキュリティ更新の対象外です。例外的な更新の可能性まで否定して「永久に修正されない」とは断定できませんが、例外を当てにして使い続けるべきではありません。遠隔からPCを乗っ取られる種類の脆弱性(RCE)などの修正を受け取れる状態か確認してください。
2

攻撃者がEOL機を優先的に狙う

「直らないと分かっている」OSは、攻撃側にとって、少ない手間で成功しやすい標的になる。過去にも、サポート切れ・未更新のWindowsが大規模ランサムウェア(WannaCryなど)の被害を受けた前例がある。新しく見つかった脆弱性の悪用は、修正されないEOL機に集中しやすい。
3

周辺のソフトも順にサポートを打ち切る

OSがEOLになると、ブラウザ・セキュリティ製品・各種アプリが順にWindows 10対応を打ち切っていく(Chrome/Edgeはしばらく対応を続けるが永久ではない)。古い暗号方式やTLSは接続先で使えなくなっていき、安全に使える範囲が少しずつ狭まる。
4

ウイルス対策ソフトではOSの脆弱性を防げない

AVはOSの脆弱性を修正できません。ESU対象外では定例のOS更新を受け取れません。業務で必要なOSサポート要件やESUの扱いは、保険契約・社内規定・適用される基準ごとに確認してください。すべての契約で一律に不適合とは言えません。

延長オプション(個人向けESU)の実態

ESU(Extended Security Updates/拡張セキュリティ更新)は、移行までのリスクを抑える制度です。2026年10月16日確認の公式案内では、個人向けは2027年10月12日までで、既登録者は自動継続。Critical/Importantのセキュリティ更新が対象で、機能更新・その他の修正・技術サポートは含みません。

含まれるCritical / Important のセキュリティ修正
含まれない機能更新・不具合修正・一般サポート
期限2027年10月12日まで(現行の個人向け案内)
個人向けESUは対象のセキュリティ更新のみ。現行の終了予定日は2027年10月12日。

日本向け公式案内の登録方法は次の3つです。地域・同期する情報・費用を確認して選んでください。

1

追加料金なし:PC設定の同期

PC設定をMicrosoftアカウントに同期すると追加料金なしで登録できる。同期する情報とアカウントへの関連付けを確認し、許容できる場合に選ぶ。
2

ポイントで交換:Microsoft Rewards

1,000ポイントと交換して登録する。ポイントを消費するため、無条件の無料とは区別する。
3

有料:30米ドル相当+税の一回払い

30米ドルまたは現地通貨の相当額に適用税金を加えた一回払い。実際の地域別金額と条件を登録画面で確認する。

無料の条件・登録方式は国や地域で異なる

EEA(欧州経済領域)向け案内には、Microsoftアカウントでのサインイン継続などの条件を満たす場合の追加料金なしの方式があります。「EEAなら無条件で初年度無料」「日本は無料対象外」という説明は不正確でした。日本にも設定同期による追加料金なしの方式があります。自分の地域の公式案内と登録画面で条件を確認してください。企業向けESUは別制度であり、この個人向け期限や条件を流用しません。

登録条件と対象外の端末を先に確認する

対象は22H2の上記エディションで、最新のWindows更新とESUライセンス準備パッケージKB5126256が必要です。登録には子供用ではない管理者権限のMicrosoftアカウントを使います。

個人向けESUは商用利用不可で、キオスク、Active Directory/Entra参加、MDM登録端末は対象外です。Entra登録済み(registered)は参加済み(joined)とは異なり例外として利用できます。既存のESUライセンスがある場合はその登録状態を確認し、組織端末は管理者に相談してください。

どう対応するか

ポイントはESUで猶予を確保し、その期間内に移行を終わらせることです。

何もせず使い続ける

  • 定例の更新を受け取れず、未修正の脆弱性が残る
  • EOL機として狙われやすくなる
  • 周辺ソフトも順に対応を終え、安全に使える範囲が狭まる
  • 仕事用の保険・コンプライアンス要件は契約・規定ごとに確認する

移行する(+つなぎでESU)

  • Windows 11ならパッチが再び届く
  • ハード非対応でもESUで移行までの時間を確保
  • 古いPCはLinuxにすれば更新を受けながら使い続けられる
  • 移行を「期限のある作業」として計画できる
1

まずWindows 11に上げられるか確認する

対応ハード(TPM 2.0・対応CPUなど)なら無料でアップグレードできる。これがいちばん安全で、費用もかからない。PC正常性チェックや設定画面の案内で対応可否がわかる。
2

ハードが非対応なら、まずESUに登録して猶予を確保する

まず対象・登録状態をWindows Updateで確認する。未登録なら、同期する情報・地域の条件・ポイントや金額を比較して登録方法を選ぶ。現行期限は2027年10月12日だが、期限を待たず買い替え/移行を進める。最低限チェックリストのTier 3(更新・パッチ)と実際の更新履歴も確認する。
3

古いPCを延命したいだけならLinuxも選択肢

買い替えずに使い続けたいだけなら、軽量なLinux(Mintなど)に入れ替えると、更新が続くOSで使い続けられる。用途が限定的なら現実的な選択肢。
4

移行が終わるまでの暫定対策をとる

移行までの間は、日常作業を管理者権限でやらない・ブラウザは最新を保つ・ネットバンキング等の重要操作は別の更新済み端末で。脆弱性は修正できなくても、攻撃を受けやすい場面を減らして被害の可能性を下げる。

当サイトはどう考えるか

サポートが切れた環境の扱いについて、当サイトは記事「脆弱性対応の実務」でも同じ原則を立てています。EOL(サポート終了)の機器は、消す前にまず隔離することです。どうしても古いWindows 10機を使い続けたい事情があるなら、最悪なのは「いつものメイン機としてネットに繋ぎっぱなしで使う」こと。逆に、ネットから切り離す・用途を限定する・重要情報を置かないといった隔離をすれば、攻撃者が届く経路を減らせます。脆弱性を直せないなら、その脆弱性に攻撃が届く範囲を狭める。隔離は移行までの暫定策で、安全を保証しません。外部媒体や残る接続経路からのリスクも考慮し、更新が続く環境への移行を優先してください。

ただし本来の対策は、ESUの猶予が切れる前に更新の続くOSへ移ることです。

2026年10月16日の限定訂正と出典

個人ESUの期限・自動継続・対象条件・地域別方式を公式案内に合わせ、旧「1年のみ」「2026年10月14日以後全停止」と無料対象地域の説明を訂正しました。修正の永久停止、保険・規定の一律不適合、隔離による安全保証という断定も改めました。この確認日は当該訂正の範囲を示し、記事の全記述・全原典の再確認日ではありません。

次に読む

よくある質問

QWindows 10のサポートはもう終わっていますか?
A

通常のWindows 10 Home/Pro/Pro Education/Pro for Workstationsの22H2は、2025年10月14日に通常サポートが終了しました。個人向けESUに登録した対象端末は、対象のセキュリティ更新を受け取れます。LTSC/IoT等は別のライフサイクルです。

QESU(延長オプション)に登録すればずっと安全に使えますか?
A

いいえ。2026年10月16日に確認した公式案内では、個人向けESUは2027年10月12日までで、登録済みの利用者は自動継続されます。Critical/Importantのセキュリティ更新が対象で、機能更新・その他の修正・技術サポートは付きません。Windows Updateで登録・更新状態を確認し、移行を進めてください。

Qウイルス対策ソフトを入れていればサポートが切れても大丈夫では?
A

不十分です。アンチウイルスはOS自体の脆弱性(カーネルやドライバ、ネットワークスタックの脆弱性)を修正できません。防御の中心はOSのセキュリティパッチで、AVはその補助にすぎません。OSの修正が止まった時点で、防御の中心が欠けた状態になります。