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用語辞典

フィッシングとは — 手口の種類と「見破る」より確実な防御

フィッシングは、信頼できる相手になりすまして偽サイトへ誘導し、パスワードや情報を盗む詐欺です。ソフトの穴ではなく『人』を狙う点が肝。種類(スピアフィッシング・BEC・スミッシング・中間者型)と、『気をつける』より確実な防御(フィッシング耐性MFA・ドメイン確認・メール認証)を、攻撃手順を伏せて防御目線で解説します。

公開日 2026-06-13 更新日 2026-06-13 8分で読める

「信頼できる相手のふりをして、偽サイトへ誘い込む」——それがフィッシングです。手口の種類と、確実な防御を解説します(攻撃手順は載せません)。

仕組み:狙うのは「ソフトの穴」ではなく「人」

XSSやSQLインジェクションがソフトの欠陥を突くのに対し、フィッシングが突くのは人間の判断です。「アカウントが停止されました」「至急ご確認ください」といった緊急性・権威・恐怖で考える隙を奪い、本物そっくりの偽サイトへ誘導してパスワードを入力させます。技術的な脆弱性がゼロのサイトでも、利用者が騙されれば認証情報は流出します。

侵入経路No.1
ランサムウェアや情報漏えいの多くがフィッシング起点。最初のドアになりやすい
緊急・権威・恐怖
『今すぐ』『公式から』『止められます』で考える隙を奪うのが常套手段
AiTM
中間者型。偽サイトがワンタイムコードまで中継し、通常のMFAを突破しうる

手口の種類(呼び名が違っても本質は同じ)

通常フィッシング

不特定多数へばらまく

スピアフィッシング

特定の個人/組織を狙い撃つ

BEC

取引先/役員になりすまし送金指示

スミッシング

SMSを使う

ビッシング

電話を使う

中間者型(AiTM)

認証を本物へ中継しMFA突破

フィッシングの代表的な種類。経路や標的は違っても『なりすまし+誘導』の本質は同じ。

呼び名は違っても、本質は**「信頼を装って誘導する」点で共通です。特に BEC(ビジネスメール詐欺) は、マルウェアすら使わず「取引先を装った送金依頼」で大きな金銭被害を出します。技術より業務プロセスの確認**で止めるべき類型です。

防御:見破る注意力より「仕組み」で止める

1

フィッシング耐性MFAを使う(最重要)

偽サイトに反応しない仕組みが本命。パスキー/物理セキュリティキー(FIDO2)はドメインに紐づくため、偽ドメイン上では原理的に認証が成立せず、中間者型(AiTM)でも突破できない。SMS/認証アプリのコードは中継されうるので、王国の鍵(メール/ドメイン/決済)から優先的に耐性MFAへ(→ MFAの選び方)。

2

リンクを踏まず、公式へ自分から行く

メールやSMSのリンクは押さず、ブックマークや手入力で公式サイトへ直接アクセスして確認する。「アカウント確認」「請求」「配送」を装うメッセージほど、リンク経由ではなく自分の経路で開く。

3

メールのなりすましを技術で減らす

ドメインのSPF/DKIM/DMARCを正しく設定し、自社ドメインを騙るなりすましメールを受信側で弾けるようにする(→ SPF/DKIM/DMARCとは)。パスワードマネージャは偽ドメインでは自動入力しないので、入らないこと自体が偽サイトの手がかりになる。

4

緊急・権威の圧力では立ち止まる/送金は別経路で確認

「今すぐ」「役員から」「止められます」という圧力こそ罠の合図。急かされたら一拍置く。送金や認証情報に関わる依頼は、メールの返信ではなく電話など別経路で本人確認してから動く(BEC対策の要)。

突破されやすい

パスワード+SMS/認証アプリのコードだけ。本物そっくりの偽サイトでコードごと中継(AiTM)されると、注意深くても認証情報を奪われる。「自分は見破れる」前提の防御。

止められる

ドメインに紐づくパスキー/物理キー。偽ドメインでは認証が成立しないので、利用者が騙されても突破されない。「見破れなくても安全」な仕組み側の防御。

当サイトの視点:『気をつける』は防御戦略ではない

フィッシング対策を「従業員教育」「注意喚起」だけに頼るのは危ういと当サイトは考えます。中間者型(AiTM)が当たり前になった今、どれだけ注意深い人でも、本物そっくりの偽サイト+コード中継には勝てないからです。注意は補助にはなりますが、最後の砦にはできません。本命は仕組み——ドメインに紐づくフィッシング耐性MFAを王国の鍵から順に導入すること。「見破れる人を育てる」より「見破れなくても破られない」設計に投資するのが、現代の正解です。

盲点:「自分は騙されない」が一番危ない

フィッシング対策で最大の落とし穴は、「自分は見破れる」という過信です。中間者型(AiTM)は本物そっくりの画面を出し、入力したパスワードとワンタイムコードをその場で本物のサイトに中継します。つまり注意深く正しいコードを入れても、その正しいコードごと盗まれる。だから防御の軸を「見破る注意力」に置くこと自体が間違いで、**偽ドメインでは成立しない認証(フィッシング耐性MFA)**という仕組みに移すのが本筋です。「気をつける」で止まらないことが、現代のフィッシング対策の出発点です。

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よくある質問

Qフィッシングは注意していれば見破れますか?
A

『自分は見破れる』という過信は危険です。今のフィッシングは本物そっくりの偽サイトを使い、入力したパスワードとワンタイムコードをリアルタイムで本物のサイトに中継する『中間者型(AiTM)』まであり、注意深い人でもSMSや認証アプリのコードごと盗まれます。だから本命の防御は『見破る注意力』ではなく、偽サイトには反応しない仕組み——ドメインに紐づくフィッシング耐性MFA(パスキー/物理キー)です。

Qフィッシングにはどんな種類がありますか?
A

代表的なものに、不特定多数へばらまく通常フィッシング、特定の個人/組織を狙い撃つスピアフィッシング、経営者や取引先になりすまし送金を指示するBEC(ビジネスメール詐欺)、SMSを使うスミッシング、電話を使うビッシングがあります。さらに、偽サイトで認証を本物へ中継する中間者型(AiTM)は、通常のMFAを突破できる点で特に注意が必要です。

QMFAを設定すればフィッシングは防げますか?
A

MFAは強く推奨しますが、方式によります。SMSや認証アプリのワンタイムコードは、中間者型フィッシングでコードごと中継されると突破されえます。突破されないのは『パスキー/物理セキュリティキー(FIDO2)』のようにドメインに紐づくフィッシング耐性MFAで、偽ドメイン上では原理的に認証が成立しません。詳しくは二要素認証(MFA)の選び方を参照してください。