対象:ブラウザの閲覧履歴やCookie、保存パスワードを消したい人。特に、情報が漏れた、閲覧履歴を材料に脅されたという人。手順は各社の公式ヘルプ(2026年10月26日に確認)にもとづき、攻撃の手口は扱いません。
何を消すと、何が変わるか
ブラウザの「閲覧履歴データの削除」には、性質の違う項目が並んでいます。どれを消すと何が変わり、何が変わらないかを先に押さえておくと、消す順番を間違えません。
閲覧履歴
変わる:この端末(と同期先)の訪問先の一覧が消える
変わらない:コピー済みの履歴、サイト側・ネットワーク側の記録
Cookie・サイトデータ
変わる:この端末で多くのサイトからログアウトされることがある
変わらない:他人が持ち出したログイン状態(サービス側でログアウトさせる)
キャッシュ
変わる:ページの画像などの一時的な写しが消え、次の表示が少し遅くなる
変わらない:ログイン状態やパスワード
保存パスワード
変わる:この端末と同期先から自動入力されなくなる
変わらない:漏れたパスワード(各サイトで変えるまで使える)
自動入力
変わる:住所・電話番号などの入力候補が消える
変わらない:コピー済みの個人情報
この図から言えるのは、漏えいの後で意味が大きいのはCookieと保存パスワードだということです。どちらも「手元を消す」だけでは足りず、サービス側でのログアウトとパスワード変更を組み合わせて初めて効きます。
消す前に残すもの
脅迫や不正アクセスを警察に相談するつもりなら、ブラウザのデータを消す前に、次のものを残しておきます。ここは当サイトの一般的な助言です。
脅迫メールを消さずに残し、画面も撮っておく
メールそのものを削除せず、迷惑メールにも振り分けずに残します。差出人・日時・本文・添付の一覧が分かる画面を撮影します。メール内のURLや添付ファイルは開かず、返信もしません。支払いや返信をしても、相手が持っている情報が消される保証はありません。
不審な拡張機能の一覧を記録する
Chrome は「拡張機能」、Edge は「拡張機能」、Firefox は「アドオンとテーマ」の画面で、覚えのない拡張機能の名前を画面ごと記録してから削除します(表記はバージョンによって異なります)。インストールした覚えのない拡張機能は、閲覧履歴やページの内容を読み取れることがあります。
身に覚えのないログインや取引の記録を残す
各サービスのログイン履歴、取引履歴、身に覚えのない操作の通知メールを、日時が分かる形で撮影しておきます。見方は 不正アクセスされていないか確認する方法 にまとめています。
警察のサイバー犯罪相談窓口に相談する
警察庁の サイバー事案に関する相談窓口 のページに、都道府県警察の相談窓口と、全国共通のオンラインの受付窓口が案内されています。命に関わるおそれがあるときは110番です。
自分の閲覧履歴を材料に脅されたとき
相手が送ってきた履歴が本物に見えても、要求に応じる必要はありません。家族や知人に送ると言われた場合も、返信や支払いをせず、メールを残して警察に相談してください。相手が持っていると主張する情報を確かめるために、相手が示したURLやファイルを開くのは避けます(当サイトの助言)。
ブラウザ別:削除の画面の場所(早見表)
各社の公式ヘルプの表記に合わせています。画面の名前は、アプリの更新や表示言語で変わることがあります。
| ブラウザ | 閲覧データの削除を開く場所 | ショートカット | 保存パスワードの場所 |
|---|---|---|---|
| Chrome(Windows・Mac) | 右上の「その他」→「閲覧履歴データを削除」 | Windows:Ctrl+Shift+Delete/Mac:⌘+Shift+Delete | 「パスワードと自動入力」→「Google パスワード マネージャー」 |
| Chrome(Android) | アドレスバー右の「その他」→「閲覧履歴データの削除」 | なし | Google パスワード マネージャー |
| Chrome(iPhone・iPad) | 「その他」→「閲覧履歴データの削除」 | なし | Google パスワード マネージャー |
| Safari(Mac) | 履歴:「履歴」→「履歴を消去」/Cookie:「Safari」→「設定」→「プライバシー」→「ウェブサイトデータを管理」 | 公式ヘルプに記載なし | 「パスワード」アプリ |
| Safari(iPhone) | 「設定」→「アプリ」→「Safari」→「履歴とWebサイトデータを消去」 | なし | 「パスワード」アプリ |
| Safari(iPad) | Safariのサイドバー →「履歴」→「消去」 | なし | 「パスワード」アプリ |
| Edge(Windows) | 「設定など」→「設定」→「プライバシー、検索、サービス」→「閲覧データをクリアする」 | Windows:Ctrl+Shift+Delete | 「パスワードとオートフィル」→「Microsoft パスワード マネージャー」 |
| Firefox(Windows・Mac) | メニューボタン →「履歴」→「最近の履歴を消去」 | Windows:Ctrl+Shift+Del/Mac:⌘+Shift+Delete | メニューボタン →「パスワード」 |
Chrome:パソコン(Windows・Mac)とスマホ
Chrome は、Google アカウントにログインして同期していると、削除がほかの端末と Google アカウントにも及びます。Google は、Chrome にログインしたまま削除すると、ほかの端末と Google アカウントからも削除されると説明しています。
パソコン:閲覧履歴・Cookie・キャッシュを消す
右上の「その他」(縦の3つの点)から「閲覧履歴データを削除」を選びます。Windows は Ctrl+Shift+Delete、Mac は ⌘+Shift+Delete でも開きます。期間を「全期間」にし、「Cookie と他のサイトデータ」と、消したいほかの項目(閲覧履歴、キャッシュされた画像とファイル、自動入力のデータなど)を選んで「データを削除」を押します(項目の表記はバージョンによって異なります)。
パソコン:保存パスワードを消す
閲覧データの削除では、保存パスワードは消えません。「その他」→「パスワードと自動入力」→「Google パスワード マネージャー」で、1件ずつ選んで「削除」します。すべて消す場合は、左の「設定」の「Google パスワード マネージャーのデータをすべて削除」の横の「データを削除」→「削除」です。パスキーなども一緒に消えます。
Android:閲覧データを消す
アドレスバーの右の「その他」→「閲覧履歴データの削除」。初期の期間は15分なので、期間を選び直します。項目を細かく選ぶときは「その他のオプション」を開き、「データを削除」を押します。Google によれば、Chrome にログインしたままCookieを削除しても、Google アカウントからはログアウトされません。
iPhone・iPad:閲覧データを消す
「その他」→「閲覧履歴データの削除」。初期の期間は15分です。表示された画面で期間を選び、「閲覧履歴データ」をタップして消す種類(閲覧履歴、Cookie、サイトデータ、キャッシュされた画像とファイル、自動入力のデータなど)を選んで「確認」、最後に「閲覧履歴データを削除」をタップします(表記はバージョンによって異なります)。
Safari:Mac と iPhone・iPad
Safari は、閲覧履歴とCookie(Webサイトデータ)の消し方が分かれています。Apple によれば、Mac とほかの Apple デバイスで Safari に iCloud を設定していると、履歴はそのすべてから削除されます。
Mac:閲覧履歴を消す
メニューバーの「履歴」→「履歴を消去」を選び、ポップアップメニューで消去する期間を選びます。Apple によれば、表示したWebサイトが独自に保存している閲覧の履歴は消去されず、ダウンロードしたファイルも削除されません。
Mac:Cookieとキャッシュを消す
「Safari」→「設定」→「プライバシー」→「ウェブサイトデータを管理」で、サイトを選んで「削除」、または「すべてを削除」します。Apple は、一部のWebサイトからサインアウトされることがあるとしています。
iPhone:閲覧履歴・Cookie・キャッシュを消す
「設定」→「アプリ」→「Safari」→「履歴とWebサイトデータを消去」で期間を選び、「履歴を消去」をタップします。履歴を残してCookieとキャッシュだけ消すときは、「Safari」の「詳細」→「Webサイトデータ」→「全Webサイトデータを削除」→「今すぐ削除」です。Apple によれば、履歴を消去しても自動入力の情報は変更されません。
iPad:閲覧履歴とCookieを消す
Safariでサイドバーを開いて「履歴」をタップし、その他のボタンから「消去」を選びます。「期間別に消去」で期間を選び、「履歴を消去」をタップします。Apple によれば、この操作でCookieとWebサイトに与えた許可も削除されます。Safariプロファイルを使っている場合は、「すべてのプロファイル」を選ばないと、選んだプロファイルの履歴だけが消えます。
iPhone・iPad・Mac:保存パスワードを消す
「パスワード」アプリを開き、「すべて」から対象のアカウントを選んで「編集」→「削除」→「パスワードを削除」で確定します。Apple によれば、この操作はiPhoneとiCloudキーチェーンから削除するもので、パスワードを作成したWebサイトやアプリ側のパスワードは消えません。Mac では「パスワード」アプリ(macOSのバージョンによっては「システム設定」)から行います。
Edge(Windows)
閲覧データを消す
「設定など」(右上の3つの点)→「設定」→「プライバシー、検索、サービス」→「閲覧データをクリアする」で、「閲覧データを今すぐクリアする」の横の「クリアするものを選択」を押します。「時間の範囲」で最も長い期間を選び(表記はバージョンによって異なります)、閲覧の履歴、Cookie およびその他のサイト データ、キャッシュされた画像とファイル、パスワード、オートフィル フォーム データなどから選んで「今すぐクリア」を押します。Microsoft の Edge のキーボード ショートカットの一覧では、Ctrl+Shift+Delete で閲覧データのクリアのオプションが開きます。
同期の扱いを決める
Microsoft によれば、同期された項目は同期済みのすべてのデバイスでクリアされます。今の端末だけで消すときは、先に「設定」→「プロファイル」→「同期」で「同期をオフにする」を選びます。
保存パスワードを確認する
「設定」→「パスワードとオートフィル」→「Microsoft パスワード マネージャー」で、保存されているサイトを確認できます。Microsoft は、Edge でパスワードを変更しても、Webサイトのパスワードは変更されないとしています。
Firefox(Windows・Mac)
閲覧履歴・Cookie・キャッシュを消す
メニューボタン →「履歴」→「最近の履歴を消去」を選びます(Windows は Ctrl+Shift+Del、Mac は ⌘+Shift+Delete)。消去する期間で「すべての履歴」を選び、Cookie とサイトデータ、キャッシュなど消したい項目にチェックを入れて「消去」を押します。日本語のヘルプは英語版からの機械翻訳なので、画面の表記と少し違うことがあります。
保存パスワードを消す
メニューボタン →「パスワード」で保存されたログイン情報の一覧が開きます。1件ずつ選んで「削除」するか、右上の3つの点のメニューから、「パスワードをすべて消去」を選びます(日本語のヘルプの表記。画面とは異なることがあります)。
ブラウザの外に残る履歴
ブラウザで消しても、別の場所に残る記録があります。必要に応じて、こちらも確認します。
- Google の「マイ アクティビティ」
- Google アカウントに保存されたアクティビティ。myactivity.google.com の上部の「削除」→「全期間」→「次へ」→「削除」で消せる。Google は、マイ アクティビティから削除してもブラウザに残る場合があるとしている
- Microsoft のプライバシー ダッシュボード
- Edge の閲覧履歴の同期などをオンにしていると、Microsoft アカウントに閲覧履歴が保存される。account.microsoft.com/privacy で表示・クリアできる。ここで削除しても端末からは削除されない(Microsoft)
- 訪れたWebサイト側の記録
- サイトが独自に保存している閲覧の記録は、ブラウザの削除では消えない(Apple)
- ネットワーク側の記録
- 会社・学校のネットワーク機器やプロバイダーの記録は、端末の削除では消えない(一般的な説明)
- すでにコピーされたもの
- 他人がすでに取得したデータは、どの削除操作でも取り戻せない
主要アカウントからすべての端末をログアウトする
手元のCookieを消しても、影響するのはその端末のログイン状態だけです。他人がログイン状態を持ち出した疑いがあるなら、サービス側で他の端末やセッションを外し、続けてパスワードを変えます。操作は、乗っ取りの疑いがない別の端末から行います。
Google アカウント
Google アカウントの「セキュリティとログイン」→「お使いのデバイス」の「すべてのデバイスを管理」で、心当たりのない端末を選んで「ログアウト」します。
Microsoft アカウント
アカウントのセキュリティ ダッシュボードの「高度なセキュリティ オプション」で、「すべての場所でサインアウト」の「サインアウト」を選びます。Microsoft によれば、反映まで最大24時間かかり、Xbox 本体は別に操作が必要です。
Apple Account
iPhone の「設定」→ 自分の名前 → デバイスの一覧から心当たりのない端末を選び、「アカウントから削除」します。その後、信頼できる端末からパスワードを変えます。
そのほかのサービスとパスワードの変更
証券会社・銀行・メールなど重要なサービスでも、ログイン中の端末を確かめてログアウトさせ、パスワードを変えます。ログアウトさせても、パスワードを知っている相手は再びログインできるからです。サービス別の画面は 不正アクセスの確認方法 にまとめています。あわせて 多要素認証 も設定します。
当サイトの視点:保存パスワードは、消す前に「変える先の一覧」として使う
漏えいの疑いがあるときに保存パスワードを先に全部消すと、どのサイトのパスワードを変えればよいかが分からなくなります。当サイトがすすめる順番は次のとおりです。
- 証拠を残す
- 端末を点検し、不審な拡張機能を外す
- 安全な別の端末から、保存パスワードの一覧にあるサイトのパスワードを重要なものから変え、全セッションをログアウトする
- 最後に、ブラウザのCookieと保存パスワードを消す
一覧をパスワードごとファイルに書き出すと、そのファイル自体が新しい漏えい源になるので避けます。変え終わったあとは、パスワードマネージャー に移すのも選択肢です。
同期は、消す前にどうするか決める
同期は便利ですが、削除や乗っ取りの影響を他の端末に広げます。
- 全端末からまとめて消したいなら、同期をオンにしたまま消す(Chrome・Edge・Safari は同期先からも消えると各社が説明)
- 今の端末だけで消したいなら、先に同期をオフにする
- 乗っ取りや不正なプログラムの疑いがあるなら、端末の点検が終わるまで同期をオンにしない。点検前の端末で同期をオンにすると、その端末のデータや設定が他の端末に広がるおそれがあるため(当サイトの説明)
きっかけになった事案:お名前.com デスクトップクラウド
2026年10月、GMOインターネット株式会社は、「お名前.com デスクトップクラウド」への不正アクセスで、利用者の情報が外部に持ち出された事実を確認したと発表しました(10月24日の第4報)。テレビ朝日系(ANN)は10月26日、攻撃者とみられる側から利用者にメールが届き、データを持っている証拠として閲覧履歴の一部が添付されていたと報じています。攻撃者側は、閲覧履歴などを知人や家族に送ると脅しているとも報じられています。
その閲覧履歴がどこから得られたものかは公表されていません。攻撃者側は利用者のパソコンのデータにアクセスできたと主張していると報じられていますが(ANN)、同社の発表ではこの主張は確認されていません。同社は10月26日の 第6報 で、接続に使った端末のフルスキャン、全端末・全セッションのログアウト、心当たりのない連携アプリ・転送設定・拡張機能・登録端末の削除とあわせて、点検が完了するまではブラウザの同期をオンにしないよう求めています。
事案の経緯と利用者がやることは お名前.com デスクトップクラウドへの不正アクセス にまとめています。
出典
各社の公式ヘルプは、いずれも2026年10月26日に確認しました。画面の表記は、アプリの更新や表示言語で変わることがあります。
- Google Chrome ヘルプ「Chrome の閲覧データを削除する」(パソコン) — support.google.com
- Google Chrome ヘルプ「Chrome の閲覧データを削除する」(Android) — support.google.com
- Google Chrome ヘルプ「Chrome の閲覧データを削除する」(iPhone と iPad) — support.google.com
- Google Chrome ヘルプ「Chrome のキーボード ショートカット」 — support.google.com
- Google Chrome ヘルプ「Chrome でパスワードを管理する」(パソコン) — support.google.com
- Google アカウント ヘルプ「アクティビティを削除する」 — support.google.com
- Google アカウント ヘルプ「アカウントにアクセスしたデバイスを確認する」 — support.google.com
- Apple サポート「MacのSafariでブラウズ履歴を消去する」 — support.apple.com
- Apple サポート「MacのSafariでキャッシュとCookieを消去する」 — support.apple.com
- Apple サポート「iPhoneでSafariの閲覧履歴、キャッシュ、Cookieを消去する」 — support.apple.com
- Apple サポート「iPadでキャッシュとCookieを消去する」 — support.apple.com
- Apple サポート「パスワードをiPhoneとiCloudキーチェーンから削除する」 — support.apple.com
- Apple サポート「Apple Accountにサインインしているデバイスを確認する」 — support.apple.com
- Microsoft サポート「Microsoft Edge の閲覧履歴を表示および削除する」 — support.microsoft.com
- Microsoft サポート「Keyboard shortcuts in Microsoft Edge」(英語版で確認) — support.microsoft.com
- Microsoft サポート「Microsoft パスワード マネージャーでパスワードを表示または編集する」 — support.microsoft.com
- Microsoft サポート「プライバシー ダッシュボードでの閲覧履歴」 — support.microsoft.com
- Microsoft サポート「Microsoft アカウントからどこからでもサインアウトする方法」 — support.microsoft.com
- Mozilla サポート「最近の履歴を消去する」 — support.mozilla.org
- Mozilla サポート「Firefox のパスワードマネージャー」 — support.mozilla.org
- Mozilla サポート「Keyboard shortcuts - Perform common Firefox tasks quickly」(英語版で確認) — support.mozilla.org
- 警察庁「サイバー事案に関する相談窓口」 — npa.go.jp
- GMOインターネット株式会社「「お名前.com デスクトップクラウド」ご利用のお客様へ改めてのお願い(第6報)」(2026年10月26日、19:00時点) — internet.gmo
- GMOインターネット株式会社「お名前.com デスクトップクラウドサービスに対するサイバー攻撃について(第4報)」(2026年10月24日) — internet.gmo
- テレビ朝日系(ANN)「GMOに不正アクセス 100万ドル脅迫 期限まで18時間 被害者語る“不安”」(2026年10月26日) — news.yahoo.co.jp
更新履歴
2026-10-26:初版。Chrome・Safari・Edge・Firefox の公式ヘルプ(2026年10月26日に確認)と、GMOインターネットの第6報にもとづく。
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