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Orkes Conductorの脆弱性 CVE-2026-58138:ログインなしでOSのコマンドを実行される、攻撃の試みを観測(3.30.2以降へ更新)

CVE-2026-58138は、Conductor 3.21.21〜3.30.1でログインなしにOSのコマンドを実行される脆弱性。セキュリティ企業は1週間で6,696件の攻撃の試みを遮断。修正版と点検。

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対象:Conductor(conductor-oss、Orkes Conductorとも呼ばれる)を自社のサーバーやコンテナで動かしているチーム。AIエージェントのワークフローに使っている場合も含みます。本記事はCVEの記録、NVD、プロジェクトのリリースノート、米CISAのKEV一覧、セキュリティ企業の注意喚起にもとづく解説で、攻撃の手順や攻撃コードは載せません。

続報待ち:この記事は公式発表に合わせて更新します

対象者

Conductor(conductor-oss、Orkes Conductorとも呼ばれる)を自社のサーバーやコンテナで動かしているチーム。AIエージェントのワークフローに使っている場合も含みます。

影響が確認された範囲表で見る ↓
  • 対象の版と修正版
  • 認証が不要
  • 実際の攻撃の試み
未確認事項
  • 攻撃の試みが、確認された侵害につながったか
  • プロジェクトまたはOrkesのセキュリティ勧告・説明
  • Orkesのホスト型・企業向けの提供が対象か
さらに2件
  • NVD自身の分析(状態はDeferred)
  • 米CISAがKEVに追加するか
今やること手順を見る ↓
  1. Conductorのサーバーと版を洗い出す
  2. 3.30.2以降に上げる
  3. ワークフローAPIをインターネットから見えないようにする
さらに1件
  1. 対象の版が外から届いていたなら、侵害の可能性がある前提で点検する
最終確認日時
2026年10月31日(日本時間)時点
発表の続報予定と確認の記録

CVEの記録と修正版は公開済みです。セキュリティ企業の数字は9月のものです。10月31日に、NVD、GitHubのリリース、プロジェクトのセキュリティ勧告の一覧、米CISAのKEV一覧を確認しました。

今日やること

1

Conductorのサーバーと版を洗い出す

コンテナイメージ、Helmチャート、Composeファイル、ビルドファイルからConductorのサーバーを探し、版のタグを控えます。対象は3.21.21から3.30.2より前です。AIエージェントの検証用に立てた、試験・ステージング・試作のサーバーも忘れないでください。

2

3.30.2以降に上げる

修正は3.30.2に入っています。10月31日時点の最新の安定版は3.33.0(10月26日)です。今日上げられないなら、上げられるまでサーバーをインターネットから外します。

3

ワークフローAPIをインターネットから見えないようにする

セキュリティ企業は、ワークフローAPIの公開範囲を絞るよう勧めています。サーバーを社内のネットワークに置き、必要なシステムからだけ届くようにし、手前で認証を求めます(リバースプロキシやAPIゲートウェイなど)。更新はこの脆弱性を直し、公開範囲を絞れば次の脆弱性の影響も小さくできます。

4

対象の版が外から届いていたなら、侵害の可能性がある前提で点検する

セキュリティ企業によると、攻撃の試みは9月上旬に数えられており、攻撃コードは8月に公開されています。一般的な点検として(当サイトの提案)、チームの誰も作っていないワークフロー定義、Conductorのサーバーが起動した見慣れないプロセス、普段と違う外向きの通信、ホスト上の新しいファイルや定期実行の設定を探します。

サーバーが読める認証情報(データベース、キュー、AIサービスのAPIキーなど)は作り直します。説明のつかないものが見つかったら、その場で掃除するのではなく、きれいなイメージからホストを作り直します。

公表された内容

Conductorの認証なしのコマンド実行(CVE-2026-58138)
製品
Conductor。アプリケーションとAIエージェントのためのオープンソースのワークフローエンジン(conductor-oss/conductor。CVEの記録では「Orkes Conductor」)
種類
コードインジェクション(CWE-94)。JavaScriptとPythonのスクリプト評価機能が隔離されておらず、送られたワークフロー定義の式からOSに届いた
認証
不要(CVEの記録)
深刻度
CVSS v3.1で9.8、v4.0で9.3(CVE番号を割り当てた機関であるセキュリティ企業の評価)
対象
3.21.21から3.30.2より前
修正版
3.30.2(2026年6月3日リリース)
悪用
ネットワークセキュリティ企業が、遮断した攻撃の試みを報告(24時間に1,290件、7日間で6,696件、2026年9月)。侵害の確認は公表されていない
NVD・KEV
NVDの状態はDeferred(最終更新10月25日)。10月31日時点で米CISAのKEVに未掲載
9.8
CVSS v3.1(認証不要)
6,696件
7日間に遮断された攻撃の試み(セキュリティ企業、9月)
3.30.2
最初の修正版(6月3日)
未掲載
米CISAのKEV(10月31日)

1. 版を洗い出す

3.21.21〜3.30.1が対象

2. 更新して公開範囲を絞る

3.30.2以降。APIは社内ネットワークに

3. 外から届いていたサーバーを点検

見覚えのない定義・プロセス・通信。鍵を作り直す

今日の作業の順番

時系列

  1. 2026年5月22日

    「Restrict graaljs further」(JavaScriptエンジンの制限を強める)という変更がプロジェクトに取り込まれる。
  2. 6月3日

    その変更を含むリリース3.30.2が出る。リリースノートにセキュリティの修正やCVEの記載はない。
  3. 6月30日

    CVE-2026-58138が公開され、修正版は3.30.2とされる。
  4. 8月9日

    セキュリティ企業の注意喚起によると、攻撃コードが公開される。
  5. 9月9日

    セキュリティ企業が、24時間に1,290件(1日あたり132%増)、7日間で6,696件の攻撃の試みを遮断したと報告。
  6. 9月15日

    同社が注意喚起を出し、3.30.2以降への更新を勧める。のちにセキュリティ報道が、1週間に約7,000件の試みと伝える。
  7. 10月31日

    米CISAのKEVに未掲載。NVDの状態はDeferred。

分かっていること・分かっていないこと

項目出典の内容状態
対象の版と修正版3.21.21から3.30.2より前。3.30.2で修正確定(CVEの記録)
認証が不要CVEの記録に明記確定(CVEの記録)
実際の攻撃の試みセキュリティ企業が遮断した試みを数えた確認済み(セキュリティ企業)
侵害の成功例確認した出典に公表なし記載なし
プロジェクト・Orkesの勧告や説明GitHubに見当たらず、リリースノートのみ記載なし
Orkesのホスト型・企業向けの提供CVEの記録の対象外記載なし
米CISAのKEV10月31日時点で未掲載記載なし
NVDの分析状態はDeferred記載なし

見落とされやすかった理由

3つの条件が重なっています。修正がセキュリティの表示なしで出たので、勧告だけを追うチームには動くきっかけがありませんでした。次に、CVEはNVDでDeferred(分析の保留)となり、KEVにも載っていないので、その2つで並べる管理画面では低く見えます。さらに、AIエージェントの企画のために立てたワークフローエンジンは、ふだんの更新管理の一覧から漏れがちです。

これはMetabaseの脆弱性による侵害と同じ教訓です。多くの認証情報を持つ社内向けのツールがインターネットから届き、ログインなしで悪用されました。脆弱性の優先順位をKEVに頼っているなら、開発元やセキュリティ企業の「悪用あり」の報告も判断のきっかけに加えてください(どのCVEから直すかの決め方)。

出典

2026年10月31日(日本時間)に確認。

  • NVD「CVE-2026-58138」 — nvd.nist.gov
  • conductor-oss/conductor「v3.30.2」リリース(2026年6月3日) — github.com
  • CVE番号を割り当てた機関(セキュリティ企業)の勧告 — vulncheck.com
  • セキュリティ企業の脅威レポート(2026年9月9日) — fortiguard.com
  • セキュリティ企業の注意喚起(2026年9月15日) — fortiguard.com
  • 米CISA「Known Exploited Vulnerabilities Catalog」(10月31日に確認、未掲載) — cisa.gov
  • セキュリティ報道(2026年9月22日) — esecurityplanet.com

更新履歴

2026-10-31:初版。NVD、プロジェクトのリリースノート、米CISAのKEV一覧、セキュリティ企業の注意喚起にもとづく。

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よくある質問

QCVE-2026-58138とは何ですか?
A

Conductor(conductor-oss。CVEの記録ではOrkes Conductor)の脆弱性です。CVEの記録によると、3.21.21から3.30.2より前の版では、JavaScriptやPythonの式を含むワークフロー定義をワークフローAPIに送ることで、遠隔の攻撃者が認証なしでOSのコマンドを実行できます。CVSSは9.8(v3.1)と9.3(v4.0)です。

Q対象の版と修正版は?
A

対象は3.21.21から3.30.2より前(つまり3.30.1まで)です。修正版は2026年6月3日に出た3.30.2です。10月31日時点の最新の安定版は3.33.0(10月26日)です。

Q悪用されているのですか?
A

ネットワークセキュリティ企業が2026年9月、侵入防止サービスで24時間に1,290件、7日間で6,696件の攻撃の試みを遮断したと報告し、攻撃コードが公開されているとしています。これは遮断した試みの数です。確認した出典の中に、侵害が確認されたという公表はありません。

Q米CISAのKEVには載っていますか?
A

2026年10月31日時点では載っていません(カタログの版は2026.10.30)。NVDの記録には、米CISAの調整役が7月1日に悪用を「none」とした評価が残っていますが、これはセキュリティ企業の9月の報告より前のものです。

Qなぜ修正に気づきにくかったのですか?
A

3.30.2のリリースノートは、変更を「JavaScriptエンジンの制限を強めた」とだけ書いており、CVEやセキュリティの表示がありません。CVEはその4週間後に公開されました。GitHub上にプロジェクトのセキュリティ勧告は見つかりませんでした。セキュリティ勧告だけを見ていた人は見落としえます。

QOrkesが提供するホスト型のサービスも対象ですか?
A

CVEの記録が対象とするのは、オープンソースのconductor-oss/conductorのコードです。Orkesのホスト型・企業向けの提供について、同社の説明は見つかりませんでした。使っている場合はOrkesに直接確認してください。