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Plex2Shell:Plex Media Serverの4つの脆弱性が悪用されている(1.43.3.10861以降へ更新)

Plex Media Server 1.43.3.10861より前に、組み合わせて悪用される4件のCVE(Plex2Shell)。10月20日に米CISAのKEVに追加、Plexは広い攻撃を報告。版の確認・更新・点検。

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対象:Plex Media ServerをパソコンやNAS、家庭用サーバー、クラウドのサーバー、Dockerで動かしている人。特にインターネットから届く状態にしている場合。本記事はPlex自身のセキュリティのお知らせ、NVD、米CISAの勧告データとKEV一覧にもとづく解説で、攻撃の手順や攻撃コードは載せません。

続報待ち:この記事は公式発表に合わせて更新します

対象者

Plex Media ServerをパソコンやNAS、家庭用サーバー、クラウドのサーバー、Dockerで動かしている人。特にインターネットから届く状態にしている場合。

影響が確認された範囲表で見る ↓
  • 対象の版と修正版
  • 組み合わせるとログインが要らない
  • 古い版のサーバーへの攻撃
さらに2件
  • 侵害されたサーバーの使われ方
  • 米CISAのKEV
未確認事項
  • 侵害されたサーバーの数
  • 攻撃者が採掘やプロキシのソフトの設置より先のことをしたか
  • すべてのNAS各社のアプリストアに修正版が出ているか
今やること手順を見る ↓
  1. サーバーの版を確かめる
  2. 1.43.3.10861以降に上げる
  3. 外から届く範囲を減らす
さらに2件
  1. 古い版がインターネットから届いていたなら、侵害を点検する
  2. サーバーから届いたものも漏れた前提で扱う
最終確認日時
2026年10月31日(日本時間)時点
発表の続報予定と確認の記録

Plexのお知らせ、修正版、KEVへの登録は公開済みです。10月31日に、Plexのフォーラムの投稿、NVD、米CISAの勧告データ、KEVのフィード(版2026.10.30)を確認しました。

今日やること

1

サーバーの版を確かめる

Plex Webを開き、「設定」→「全般」で表示される版を読みます。Plexによると、1.43.3.10861以降は対象外です。NASや使っていないパソコンに入れたままの古いサーバーも含め、動かしているすべてのサーバーを確かめます。

2

1.43.3.10861以降に上げる

WindowsとmacOSでは、自動更新で本当に新しい版が入っているか確かめるか、Plexのダウンロードページから取得します。Linuxでは新しい.debまたは.rpmのパッケージを入れます。DockerはPlexのDockerリポジトリの説明に沿って最新のイメージを取得します。NASでは、メーカーのアプリストアの更新が遅れることがあるとPlexは説明しており、Plexから機種に合うパッケージを取得して、NASの手動インストールの機能で入れます。

3

外から届く範囲を減らす

Plexは、遠隔アクセスが要らないなら「設定」→「リモートアクセス」で切ること、必要でない限りポート32400を直接転送しないことを勧めています。ルーターに、サーバーへ向けたポート転送やUPnPの設定が残っていないかも確かめます。

4

古い版がインターネットから届いていたなら、侵害を点検する

Plexは、そのようなサーバーは侵害されている可能性があると考えるよう求めています。点検する点は、一般的に言えば次のとおりです(Plexの案内から)。Plex Media Serverが起動した見覚えのないプロセス、PlexのCodecsフォルダーにある見覚えのないファイル、予期しない外向きの通信、再生していないのにCPUの使用率が高いままの状態。

どれかが見つかった、または侵害を否定できないときは、古いPlexのデータフォルダーを使い回さず、きれいなインストールからサーバーを作り直すようPlexは勧めています。最低限、Codecsフォルダーの中身をすべて消し、Preferences.xmlに自分で設定していないトランスコーダーの設定がないか確かめます。そのうえでPlexアカウントの設定からすべての端末をサインアウトさせ、Plexのパスワードを変えます。

5

サーバーから届いたものも漏れた前提で扱う

Plexは、Plexのサービス用アカウントが触れられたもの(マウントした共有フォルダー、同じマシンや仮想マシンに保存した認証情報など)は漏れた可能性があるものとして扱うよう求めています。そこに保存していたパスワードを変え、同じネットワークにある他の機器も見直します。

公表された内容

Plex Media Serverの4つの脆弱性の組み合わせ(Plex2Shell)
製品
Plex Media Server。自分の動画・音楽・写真のライブラリをPlexのアプリへ配信するソフト
CVE
CVE-2026-96652(サーバーサイドリクエストフォージェリ=SSRF)、CVE-2026-96654(URLの値の無害化の不備)、CVE-2026-96655(SSRF。Plexは「サーバーの持ち主の管理者トークンの漏えい」と説明)、CVE-2026-96656(管理者による任意のファイル書き込み)
組み合わせた影響
認証なしで、Plex Media Serverのプロセスの権限でコードを実行される(Plex)
深刻度
1件ずつはCVSS v3.1で4.3〜7.2(CVE番号を割り当てた米CISAの評価)。研究者は組み合わせ全体を9.8としているが、公式の評価ではない
対象
1.43.3.10861より前の版
修正版
1.43.3.10861(2026年8月4日に全員向けに公開)。10月31日時点の最新は1.43.5.11079
悪用
更新していないインターネット向けのサーバーに対して「広く悪用されている」(Plex、10月19日UTC)
KEV
10月20日に追加。期限は10月23日(CVE-2026-96654、-96656)と11月3日(CVE-2026-96652、-96655)。CVE-2026-96656は米CISAのフォレンジック確認の対象にも指定

同じ版についての米CISAの勧告データには、5件目のCVE-2026-96651(パストラバーサル。有効なセッションのトークンでファイルを読める)も載っています。同じ版で修正済みで、KEVには載っていません。

4件
組み合わせに使われるCVE(すべてKEVに登録)
4.3〜7.2
1件ずつのCVSS v3.1
1.43.3.10861
最初の修正版(8月4日)
11月3日
4件のKEVの最後の期限

1. 版を確かめる

設定→全般で1.43.3.10861以降か

2. 更新して口を閉じる

更新し、使わないならリモートアクセスを切る

3. 外から届いていたサーバーを点検

Plexの点検項目。迷えば作り直す

今日の作業の順番

時系列

  1. 2026年8月3〜4日

    Plex Media Server 1.43.3.10861がベータ版の利用者向け(8月3日)、続いて全員向け(8月4日)に公開される。
  2. 9月1日

    Plexがセキュリティのお知らせを出し、すべてのサーバーの持ち主に1.43.3以降への更新を求める。CVEを申請中と説明。
  3. 9月23日

    CVEの記録が公開され、修正版は1.43.3.10861とされる。
  4. 10月16日

    組み合わせを見つけたセキュリティ研究者が、Plex2Shellという名前で詳細を公開し、攻撃の実証コードが公開される(Plex)。
  5. 10月17日

    セキュリティ研究者が、攻撃を観測するためのおとりのサーバー(ハニーポット)で組み合わせが悪用され、暗号資産の採掘ソフトが入れられたと報告。
  6. 10月19日(UTC)

    Plexがお知らせにCVEの一覧を追記し、広く悪用されていると書く。
  7. 10月20日

    米CISAが4件をKEVに追加。
  8. 10月26日

    Plex Media Server 1.43.5.11079が全員向けに公開される。

分かっていること・分かっていないこと

項目出典の内容状態
対象の版と修正版1.43.3.10861より前。1.43.3.10861で修正確定
組み合わせるとログインが要らないPlexが明記確定
古い版のサーバーへの攻撃広く悪用されている(Plex)悪用を確認(Plex)
侵害されたサーバーの使われ方暗号資産の採掘とプロキシのソフト(Plex)悪用を確認(Plex)
侵害されたサーバーの数公表なし記載なし
サーバーからのデータや認証情報の持ち出し公表なし記載なし
米CISAのKEV10月20日に4件とも追加確定

点数ではリスクが見えなかった理由

4件のどれも、1件だけでは7.2を超えません。CVSSの評価では、そのうち3件はログインが要ります(CVE-2026-96652とCVE-2026-96655は低い権限、CVE-2026-96656は管理者権限)。Plexによると、組み合わせるとどちらも要りません。CVSSの点数の順に修正を並べていたら、後ろの方に置かれたはずです。今回は点数よりKEVへの登録のほうが判断の材料になります(どのCVEから直すか)。

修正版は、詳細が公開される2か月以上前から出ていました。自動更新のサーバーはすでに守られていました。守られていなかったのは、アプリストアの更新が遅れたNASのサーバーや、一度設定したまま放っておいたサーバーです。

組み合わせを見つけた研究者は、脆弱性を探して確かめる作業に大規模言語モデル(AI)を多く使ったと書いています。家庭向けのソフトで、小さな不具合の組み合わせを見つける手間は下がっています。修正から攻撃までの間隔は短くなりえます。

出典

2026年10月31日(日本時間)に確認。

  • Plex「Important Security Update for Plex Media Server v1.43.2 and earlier」(9月1日、10月19日UTCに追記) — forums.plex.tv
  • Plex「Plex Media Server」リリースのお知らせ — forums.plex.tv
  • NVD「CVE-2026-96652」 — nvd.nist.gov /「CVE-2026-96654」 — nvd.nist.gov /「CVE-2026-96655」 — nvd.nist.gov /「CVE-2026-96656」 — nvd.nist.gov
  • 米CISA、Plex Media Serverの勧告データ(VA-26-266-01) — github.com/cisagov
  • 米CISA「Known Exploited Vulnerabilities Catalog」(2026年10月20日に追加) — cisa.gov
  • セキュリティ研究者による組み合わせの解説「Plex2Shell」(2026年10月16日) — zmain.info
  • セキュリティ研究者による悪用の報告(2026年10月17日) — boredhackerblog.info

更新履歴

2026-10-31:初版。Plexのセキュリティのお知らせ、NVD、米CISAの勧告データとKEV一覧にもとづく。

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よくある質問

QPlex2Shellとは何ですか?
A

セキュリティ研究者が、Plex Media Serverの4つの脆弱性(CVE-2026-96652、CVE-2026-96654、CVE-2026-96655、CVE-2026-96656)の組み合わせに付けた名前です。Plexによると、組み合わせると、遠隔の攻撃者が認証なしで、Plex Media Serverのプロセスの権限でコードを実行できます。

Q対象の版と修正版は?
A

1.43.3.10861より前の版が対象です。1.43.3.10861は2026年8月4日に全員向けに公開されました。10月31日時点の最新は1.43.5.11079(10月26日)です。版はPlex Webの「設定」→「全般」で確認できます。

Q悪用されているのですか?
A

はい。Plexは10月19日(UTC)、更新していないインターネット向けのサーバーに対して広く悪用されており、侵害されたサーバーが暗号資産の採掘やプロキシのソフトの実行に使われていると書いています。米CISAは10月20日に4件をKEVに追加しました。

QテレビやスマホのPlexアプリで見ているだけです。何かすべきですか?
A

今回のCVEは、ライブラリを配信するPlex Media Serverの側にあります。他の人が動かしているサーバーで見ているなら、更新するのはそのサーバーの持ち主です。なおPlexは同じ時期にPlex Desktop 1.115.0でもセキュリティの修正を出しており、Desktopの利用者にも更新を勧めています。

QNASのアプリストアにまだ新しい版が出てきません。
A

Plexは、NASのパッケージ管理には新しい版が遅れて届くことがあるとし、Plexのダウンロードページから機種に合うパッケージを取得し、NASの手動インストールの機能で入れる方法を案内しています。更新できるまでは、サーバーの設定で「リモートアクセス」を切り、ルーターのポート32400の転送設定を外してください。

Q深刻度が中程度のCVEなのに、なぜ緊急なのですか?
A

1件ずつのCVSS(v3.1)は4.3〜7.2で、ログインや管理者権限が要るものもあります。Plexによると、組み合わせるとログインが要りません。CVSSの点数だけで並べると後回しになりやすい組み合わせです。見つけた研究者は、調査に大規模言語モデル(AI)を多く使ったと書いています。