目次
対象:電子書籍ストア『コミックシーモア』に会員登録している人、同じメールアドレスとパスワードを他のサービスでも使っている人、利用者の情報を扱うサービスを運用している人。本記事は運営会社のNTTソルマーレ株式会社の公式発表にもとづく解説で、攻撃手順は扱いません。
続報待ち:この記事は公式発表に合わせて更新します
2026年10月23日11時時点まだ分かっていないこと
- 会員データベースの319件とログファイルの約420万件が、それぞれ何人にあたるか
- ログファイル上の情報の項目ごとの件数
- 侵入経路と攻撃手法の内容(特定済みとしているが未公表)
- 不正アクセスが始まった時期
- サービス再開の日時
- 個人情報保護委員会への報告・警察への相談の有無(記載なし)
- 利用できなかった期間へのお詫びの内容
同社は、サービス再開時期は関係機関と調整中で、確定しだい知らせるとしています。パスワードの再設定とお詫びの対応の詳細は、再開時に知らせるとしています。
10月23日11時に、同社のニュースリリース一覧で第4報(10月21日)より後の発表が出ていないことを確認しました。コミックシーモアのサイトは停止中で、最新の状況はNTTソルマーレのニュースリリースで知らせると案内しています。
会員が今日やること
同じパスワードを使っている他のサービスで、パスワードを変える
同社は、流出した情報のうちメールアドレスとパスワードの組み合わせを使って、第三者が他のWebサービスへ不正ログインを試みるおそれがあるとしています。そのうえで、同じ組み合わせを他社サービスでも使っている場合は、そのサービスのパスワードも変えるよう求めています。
ハッシュ化されたパスワードは、そのままでは元のパスワードを読み取れない形です。ただし一般に、短いパスワードや単純なパスワードは、時間をかけて元の文字列を割り出されることがあります。変えるときは、サービスごとに別の長いパスワードにし、管理には パスワードマネージャー が使えます。
大事なサービスに2段階認証を設定する
メールアドレスが流出すると、パスワードを変える前のサービスに、そのアドレスでログインを試みられることがあります。2段階認証(パスワードのほかに、スマホのアプリなどで確認する仕組み)を設定しておくと、パスワードが知られてもログインされにくくなります。これは同社の案内ではなく、当サイトの一般的な助言です。
メール、銀行、買い物のサービスから先に設定してください。方式の選び方は 二要素認証はどれが安全か にまとめています。
同社を名乗るメールのリンクや添付ファイルを開かない
同社は、同社などを装って偽のWebサイト(フィッシングサイト)へ誘導する不審な連絡が届く可能性があるとして、身に覚えのないメールのURLや添付ファイルを開かないこと、不審なサイトで個人情報やパスワードを入力しないことを呼びかけています。
該当者には同社からメールで連絡が届く予定です。「パスワードの再設定」「サービス再開のお知らせ」「お詫びのポイント」といった件名(当サイトの例)でも、メールのリンクからログインせず、自分で開いたNTTソルマーレのニュースリリースで内容を確かめてください。見分け方の基本は フィッシングとは にあります。
再開時のパスワード再設定は、アプリかブックマークから行う
同社は、サービス再開時に全ての利用者にパスワードの再設定を求める予定で、詳細は再開時に知らせるとしています。
再設定の案内が届いても、メールのリンクではなく、ふだん使っている公式アプリやブックマークから開きます。新しいパスワードは、ほかのサービスと同じものにしないでください。
月額料金と決済の明細を確かめる
同社によれば、読み放題サービスと月額課金メニューは、利用できなかった期間に自動で料金が引き落とされることは基本的にはありません。一部の決済手段では引き落とされることがあり、対象者には個別に対応するとしています。
明細に心当たりのない請求があれば、決済に使ったカード会社や携帯電話会社に問い合わせてください。クレジットカード情報は流出していないと同社はしています。
問い合わせ先は、発表に載っているコミックシーモア サポートセンター(info@nttsolmare.com)です。不審なメールでお金を払った、カード番号を入力したという場合は、カード会社に連絡し、警察の相談窓口(#9110)にも相談してください。
何が起きたのか(NTTソルマーレの発表より)
NTTソルマーレ株式会社は、10月15日の初報から10月21日の第4報まで、4回の発表を自社のニュースリリースに載せています。以下はすべて同社の発表にもとづきます。
2026年10月15日(木)
初報「『コミックシーモア』の緊急メンテナンスについて」。サーバーに外部からの不正なアクセスが行われた可能性が高いと判断し、原因究明のためサービスを停止した。第2報によれば、停止は午前11時35分で、あわせて不正アクセスの遮断対応を行った。10月16日(金)
第2報。会員情報を管理するシステムに不正アクセスがあり、その中の会員情報が第三者へ流出したことを確認したと発表。項目はメールアドレス、ハッシュ化されたパスワード、生年月日、性別、ニックネーム。件数は精査中。他のサービスでのパスワード変更を呼びかけた。10月18日(日)
第3報。侵入経路と攻撃手法を特定し、対処を実施していると発表。一部のシステムログファイルも閲覧・取得されたことが分かり、会員情報が含まれるかを精査しているとした。10月21日(水)
第4報。侵入経路と攻撃手法の特定と遮断対応は完了したと発表。流出を確認した情報を、会員データベースの319件と、システムログファイル上の最大約420万件とした。該当者にメールで連絡するとした。
不正アクセスがいつ始まったかは、発表に書かれていません。10月15日は、同社が不正なアクセスの可能性が高いと判断し、サービスを止めた日です。
発表ごとの変化
件数と項目は、発表のたびに次のように変わりました。
| 発表 | 流出の扱い | 件数 | 項目 | パスワード |
|---|---|---|---|---|
| 初報(10月15日) | 不正なアクセスの可能性が高いと判断 | 記載なし | 記載なし | 記載なし |
| 第2報(10月16日) | 会員情報の流出を確認 | 精査中 | メールアドレス、ハッシュ化されたパスワード、生年月日、性別、ニックネーム | ハッシュ化されたものが対象 |
| 第3報(10月18日) | 上に加え、一部のシステムログファイルの閲覧・取得が判明 | 引き続き精査中 | 第2報と同じ(ログは精査中) | ハッシュ化されたものが対象 |
| 第4報(10月21日) | ①会員データベース、②システムログファイルで流出を確認 | ①319件 ②最大約420万件 | ①第2報の5項目 ②メールアドレス、ニックネーム、生年月日、性別 | ①ハッシュ化されたものが対象 ②含まれない |
クレジットカード情報が流出していないという説明は、第2報から第4報まで変わっていません。購入履歴とMY本棚についても、第2報から第4報まで「確認されていない」としています。
- 運営会社
- NTTソルマーレ株式会社
- 対象サービス
- 電子書籍ストア『コミックシーモア』
- 件数
- 会員データベース上の登録情報319件、システムログファイル上の情報最大約420万件(同じ人の重複を含む可能性)
- 項目
- 319件はメールアドレス、ハッシュ化されたパスワード、ニックネーム、生年月日、性別。約420万件はメールアドレス、ニックネーム、生年月日、性別で、人ごとに含まれる項目が違う
- 流出していないもの
- クレジットカード情報(対象のシステムで保有していない)
- 確認されていないもの
- 購入履歴の流出、MY本棚の流出・消失・欠損
- 原因
- 第三者による不正アクセス。侵入経路と攻撃手法の特定と遮断対応は完了したとしているが、内容は公表していない
- 調査
- 外部の専門機関と連携
- 対象者への連絡
- 該当する人にメールで速やかに連絡する
- 行政・警察への報告
- 発表に記載なし(再開に向けて「関係機関」と調整中としている)
- サービス
- 停止中。購入済み作品のWEBでの閲覧と読み放題サービスの閲覧から段階的に再開する予定
- 問い合わせ先
- コミックシーモア サポートセンター(info@nttsolmare.com)
分かっていること・分かっていないこと
2026年10月23日時点の状態です。続報が出たら、この表の状態欄を書き換えます。
| 項目 | 発表の内容 | 状態 |
|---|---|---|
| 不正アクセスの判断とサービスの停止 | 10月15日に不正なアクセスの可能性が高いと判断し、午前11時35分に停止 | 確定(同社) |
| 会員データベース上の登録情報 | 319件。メールアドレス、ハッシュ化されたパスワード、ニックネーム、生年月日、性別 | 漏えいを確認(同社) |
| システムログファイル上の情報 | 最大約420万件。メールアドレス、ニックネーム、生年月日、性別(人ごとに項目が違う) | 漏えいを確認(同社) |
| 件数が何人にあたるか | 約420万件は同じ人の重複を含む可能性がある | 記載なし |
| ログファイル上のパスワード | 含まれない | 含まれない(同社) |
| クレジットカード情報 | 対象のシステムで保有しておらず、流出していない | 含まれない(同社) |
| 購入履歴、MY本棚 | 流出、消失・欠損は確認されていない | 確認されていない(同社) |
| 原因 | 第三者による不正アクセス | 確定(同社) |
| 侵入経路と攻撃手法 | 特定と遮断対応は完了。内容は書かれていない | 記載なし |
| 不正アクセスの開始時期 | 書かれていない | 記載なし |
| 漏れた情報の悪用 | 不審なメールが届く可能性があるとして注意を呼びかけ。悪用が起きたとは書かれていない | 記載なし |
| 対象者への連絡 | 該当者にメールで速やかに連絡する | 予定(同社) |
| 個人情報保護委員会への報告、警察への相談 | 書かれていない | 記載なし |
| サービスの再開 | 関係機関と調整中。購入済み作品のWEBでの閲覧などから段階的に再開する予定 | 未定(調整中) |
| 再開時のパスワード再設定 | 全ての利用者に求める予定。詳細は再開時に知らせる | 予定(同社) |
| 月額料金、ポイント、お詫び | 停止中の月額料金は基本的に引き落とされない。ポイントの再付与とお詫びの対応を検討中 | 検討中(同社) |
読み方の注意:2つの件数は足さない
319件と最大約420万件は、流出した場所(会員データベースとシステムログファイル)と項目が違う別々の数です。同じ人が両方に含まれているかどうかは書かれていないため、当サイトでは足し合わせていません。
また、約420万件は件数で、人数ではありません。同社は、同じ人の情報が重複している可能性があるとしています。
流出した項目の組み合わせで何が起きうるか
以下は一般に起きうることで、今回すでに起きたという意味ではありません。
メールアドレス+ハッシュ化されたパスワード(319件)
↓→
他のサービスへのなりすましログインの試み
→ 同じパスワードを使っているサービスで変更/2段階認証
メールアドレス+ニックネーム
↓→
ニックネームで呼びかける、同社を装った偽メール
→ 呼び名が合っていても本物の証拠にしない/リンクを開かない
メールアドレス+生年月日
↓→
「本人確認」として生年月日を言い当てる連絡、生年月日を使ったパスワードの推測
→ 生年月日を知っていることを本人確認にしない/パスワードに誕生日を使わない
流出していない・確認されていないとされたもの
- クレジットカード情報(対象のシステムで保有せず)
- 購入履歴、MY本棚(流出・消失・欠損は確認されていない)
- ログファイル上の約420万件のパスワード
流出が確認された項目(同社の発表より)
- メールアドレス
- ニックネーム、生年月日、性別
- ハッシュ化されたパスワード(会員データベースの319件)
生年月日は変えられません。この事件を名目にした偽メールや、誕生日を言い当てる連絡には、しばらく注意を続けてください。自分のメールアドレスが他の漏えいに含まれていないかを確かめる方法は パスワード漏えいの確認方法 にあります。
利用者の情報を扱うサービスを運用している人へ
同社は侵入経路と攻撃手法を公表していないため、どう防ぐかはここでは書きません。本節は同社の対応を評価するものではありません。今回の発表から言えるのは、会員データベースの319件よりも、システムログファイル上の情報(最大約420万件)のほうがはるかに件数が多かったことです。この点から、事前に見直せることに絞ります。
ログに個人情報が書き込まれていないかを、実際のファイルで確かめる
同社の第4報では、流出の大半がシステムログファイル上の情報でした。一般に、動作を記録するログには、入力されたメールアドレスや生年月日などが、意図せずそのまま書き込まれることがあります。
設計書ではなく、実際に保存されているログファイルを検索して、メールアドレスや生年月日の形をした文字列が残っていないかを確かめます。見つかったら、書き込む前に伏せ字にするか、項目ごと記録しないようにします。
ログの保存期間と、見られる人を決めておく
ログは調査や不具合の対応に必要ですが、古いものまで残すと、漏えいしたときの件数がその分増えます。保存期間を決めて、過ぎたものは消すか、別の場所に移します。
本番のデータベースと同じように、ログを読める人とシステムを限っておきます。ログの置き場所が、データベースより緩い権限になっていないかを確かめます。
漏えい時に「どの場所の、どの項目か」を分けて示せるようにしておく
同社は、会員データベースとログファイルで、件数と項目を分けて発表しました。パスワードが含まれるかどうかも場所ごとに違いました。
どのシステムとファイルに、どの項目を持っているかを一覧にしておくと、事故のときに対象者へ「何をすればいいか」を早く正確に伝えられます。パスワードの保存方法は パスワードのハッシュ化とは にまとめています。
出典(公開記録)
本記事の事実関係は以下の公開情報にもとづきます。公表されていない侵入経路や攻撃手法は推測していません。
- NTTソルマーレ株式会社「『コミックシーモア』の緊急メンテナンスについて (初報)」(2026年10月15日) — nttsolmare.com
- NTTソルマーレ株式会社「『コミックシーモア』会員情報の流出に関するお詫びとお願い (第2報)」(2026年10月16日) — nttsolmare.com
- NTTソルマーレ株式会社「『コミックシーモア』会員情報の流出に関するご報告(第3報)」(2026年10月18日) — nttsolmare.com
- NTTソルマーレ株式会社「『コミックシーモア』お客様の情報流出に関するご報告(第4報)」(2026年10月21日) — nttsolmare.com
- NTTソルマーレ株式会社 ニュースリリース一覧(2026年10月23日に確認。第4報より後の発表なし) — nttsolmare.com
- コミックシーモア「『コミックシーモア』サービス停止に関するお知らせとお詫び」(サイトのお知らせ、日付なし。2026年10月23日に確認) — cmoa.jp
更新履歴
2026-10-23:初版。NTTソルマーレの初報(10月15日)から第4報(10月21日)までと、ニュースリリース一覧・コミックシーモアのお知らせ(10月23日に確認)にもとづく。初報と第2報の問い合わせ先は、公表後に書き足されたものです(インターネットアーカイブの記録で確認。本文の内容は変わっていません)。サービスの再開や続報が公表され次第更新します。
次に読む
- パスワード:パスワード漏えいの確認方法 / パスワードマネージャーの選び方 / 二要素認証はどれが安全か
- 便乗詐欺への備え:フィッシングとは
- 同じ時期の事案:カーセンサーnet・C-MATCHへの不正アクセス / ブックオフの会員情報流出
- 2026年の他の事案:情報漏えい・サイバー攻撃の一覧(国内・海外)
よくある質問
Qコミックシーモアの不正アクセスで何が流出したのですか?
NTTソルマーレの2026年10月21日の第4報によれば、流出が確認されたのは2種類です。1つは会員データベース上の登録情報319件で、メールアドレス、ハッシュ化されたパスワード、ニックネーム、生年月日、性別です。もう1つはシステムログファイル上の情報で、最大約420万件のメールアドレス、ニックネーム、生年月日、性別です。ログファイル上の情報は人ごとに含まれる項目が違い、パスワードは含まれていないとされています。どちらも「流出が確認された情報」として発表されています。
Q自分は対象ですか?
同社は、会員データベースの319件とシステムログファイル上の最大約420万件に該当する人に、メールで速やかに連絡するとしています。どの会員がどちらに当たるかの条件は公表されていません。約420万件は件数で、同じ人の情報が重複している可能性があると同社は書いています。メールが届いていなくても、同じメールアドレスとパスワードを他のサービスで使っているなら、そのパスワードは変えておくと安心です。
Qパスワードやクレジットカードは大丈夫ですか?
同社によれば、ハッシュ化されたパスワード(元のパスワードを読み取れない形に変換したもの)が流出したのは会員データベース上の319件で、ログファイル上の最大約420万件にはパスワードは含まれていません。同社は、同じメールアドレスとパスワードの組み合わせを他社サービスでも使っている人に、そのサービスのパスワード変更を求めています。クレジットカード情報は対象のシステムで保有しておらず、流出していないとしています。購入履歴の流出とMY本棚の流出・消失・欠損は確認されていないとしています。
Q原因は何ですか?
同社は、第三者による不正アクセスとしています。第3報で侵入経路と攻撃手法を特定して対処し、第4報で特定と遮断対応は完了したとしていますが、どのような経路・手法だったかは公表されていません。外部の専門機関と連携して調査しているとしています。
QコミックシーモアやNTTソルマーレを名乗るメールが来たらどうすればいいですか?
同社は、流出した情報を悪用し、同社などを装って偽のサイトに誘導する不審なメールが届く可能性があるとして、身に覚えのないメールのURLや添付ファイルを開かないこと、不審なサイトで個人情報やパスワードを入力しないことを呼びかけています。該当者には同社から本物のメールも届く予定です。メールのリンクは使わず、自分で開いたNTTソルマーレのニュースリリースで内容を確かめてください。
Qサービスはいつ再開しますか?月額料金やポイントはどうなりますか?
10月21日の第4報の時点で、再開時期は関係機関と調整中で、確定しだい知らせるとしています。購入済み作品のWEBでの閲覧と読み放題サービスの閲覧を最優先に、安全性が確認された機能から段階的に再開する予定です。読み放題サービスと月額課金メニューは、利用できなかった期間に自動で料金が引き落とされることは基本的にはなく、一部の決済手段で引き落とされた人には個別に対応するとしています。期間中に有効期限を迎えたポイントは、再開時に再付与などを検討しているとしています。