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Discord認証ボット「Double Counter」の情報漏えい(Discord ID約2,800万・メール約100万):漏れた項目と、利用者・サーバー管理者がやること

Discordボット「Double Counter」の運営者は、2026年10月4日の侵入で、Discord ID約2,800万、IPアドレス約2,700万、メール約100万が影響を受けたと発表しました。漏れた項目と、利用者・サーバー管理者がやることを整理します。

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対象:Double Counterで認証を受けたDiscordの利用者、これを使っているサーバーの管理者、自社運用の分析ツールを使っている人。本記事は運営者の公式報告にもとづく解説で、攻撃手順は扱いません。

続報待ち:この記事は公式発表に合わせて更新します

2026年10月30日時点

まだ分かっていないこと

  • 影響を受けた人数の正確な値
  • 公開されたコピーのうち削除された範囲
  • データ保護当局の審査の結果
  • 刑事告訴の結果

運営者の報告は10月5日付で、10月21日に第2版へ更新されました。事件は収束し、新しい認証情報でサービスを再開し、公開されたデータのコピーの削除を求めているとしています。10月30日時点で、これより新しい版は確認できませんでした。

今日やること

1

利用者:IDやメール、IPアドレスを使った連絡に応じない

漏れた項目があれば、「あなたのDouble Counterのアカウントが影響を受けました」のような、自分宛てに見える連絡とリンクを作れます。運営者は、パスワード、トークン、メールやダイレクトメッセージでの支払いを求めることはないとしています。事件についてのメールが届いても、リンクは開かず、自分で運営者のサイトを開いて確かめます(フィッシングとは)。

この件でDiscordのパスワードを変える必要はありません。Discordに2つ目のログイン要素を付けておくことは、引き続き有効です。

2

利用者:認証の時間帯に当たった人だけ、もう一度認証する

運営者は、10月4日のUTC13時39分から14時49分の間に認証して役割が付かなかった場合は、もう一度認証するよう案内しています。それ以外は何もしなくて構いません。

3

サーバー管理者:招待の投稿を削除し、監査ログを確認する

運営者によれば、攻撃者のサーバーへの招待が、Double Counterからの投稿に見える形で、10月4日のUTC13時30分から約50の大規模サーバーに投稿されました。10月4日のUTC12時から16時30分の間に、別のサーバーへ誘うDouble Counterの投稿があれば削除し、その時間帯のDouble Counterの操作を監査ログで確認してください。

4

ボット・広告・APIの利用者:支払いに関する連絡は偽物として扱う

運営者は、決済関連サービスの影響を受けた顧客には自分で連絡しているとしています。顧客は、偽の支払いや返金の連絡に注意してください。氏名・請求先住所にカードのブランドと下4桁があれば、本物らしい請求書の偽物を作れます。

5

自分でDiscordボットを運用しているなら、トークンを再発行する

運営者によれば、攻撃者はコンテナからボットのトークンを読み取り、ボットとして操作しました。これはあなたのボットについての話ではなく一般的な注意です。トークンは平文のファイルではなく秘密情報の保管庫に置き、ボットに与える権限を絞り、漏れた疑いがあれば再発行します。

何が起きたのか(運営者の報告より)

以下は、Double Counterの運営者Tellter SASが2026年10月5日に公表し、10月21日に第2版へ更新した事件報告にもとづきます(10月30日に確認)。時刻はUTCです。

  1. 10月3日 5時28分

    運営者のシステムに対し、切り替わるVPNのアドレスから探りが始まった。
  2. 10月4日 0時47分

    攻撃者が、ホスティング事業者上の使われなくなったサーバーに、そこで動いていたインターネットから届く自社運用のMetabase経由でログインした。
  3. 10月4日 12時03分〜17時54分

    クラウドのプロジェクト内での活動(合計5時間51分)。運営者によれば、データベースの書き出し(5.0GB、ダウンロードはされていない)、ボットのトークンの読み取り、約12GBのコピー、データベース管理者パスワードの変更があった。
  4. 10月4日 13時30分

    約50の大規模Discordサーバーに、攻撃者のサーバーへの招待が現れ始めた。
  5. 10月4日 17時54分と19時19分

    クラウド基盤で最後に記録された操作。そのあと新しい認証情報でサービスを再開した。
  6. 10月5日

    報告を公表。フランスのデータ保護当局(CNIL)に届け出た。
  7. 10月21日

    報告の第2版。GDPRに基づく約100万人へのメール通知を開始し、パリ検察庁に刑事告訴した。
約2,800万
Discord IDとユーザー名(一部をコピー、漏えいした扱い)
約2,700万
IPアドレスと大まかな位置情報(一部をコピー、漏えいした扱い)
約100万
メールアドレス(重複除外、コピー)
約50
招待が投稿された大規模サーバー
影響を受けたデータ(運営者の報告)
Discord IDとユーザー名
約2,800万件。一部をコピーし、漏えいした扱い
IPアドレスと大まかな位置情報
約2,700万件。一部をコピーし、漏えいした扱い
端末情報
約2,500万件。複数アカウントの検出に使うハッシュ化したユーザーエージェント、都市、国。コピーされた
メールアドレス
約100万件(重複除外)。コピーされた
VPN検出ログ
約1,500万件。運営者はコピーされていないとしている
決済関連サービスの顧客
約5,000件。氏名、メール、DiscordのID、請求先住所、プラン、支払い履歴、カードのブランド、有効期限、下4桁。コピーされ、一部は公開された
対象外
ボットが受け取っていないDiscordのパスワード。決済事業者だけが持つカード番号の全桁とセキュリティコード
講じた対策
盗まれた認証情報の削除、管理者セッションの失効、攻撃者のアクセス鍵の削除、古いサーバーの停止、ボットのトークンの再発行、公開されていたウェブフック10件の削除、データベースのインターネットからの遮断、認証情報の入れ替え、スタッフのサインアウト、監視の強化

使われなくなったサーバーのMetabase(インターネットから到達可)

↓

管理者セッションの偽造

同じサーバーにあったクラウドの認証情報2つ(管理者の鍵・保存セッション)

↓

データベースの書き出し、約12GBのコピー

コンテナからボットのトークンを読み取り

↓

ボットで約50の大規模サーバーに招待を投稿

運営者の事件報告による侵入の流れ(2026年10月)

分かっていること・分かっていないこと

2026年10月30日時点の状況です。運営者が続報を出したら、状態の欄を更新します。

項目運営者の説明状態
Discord IDとユーザー名約2,800万件。一部をコピー漏えいした扱い(運営者)
IPアドレスと大まかな位置情報約2,700万件。一部をコピー漏えいした扱い(運営者)
ハッシュ化した端末情報約2,500万件漏えいを確認(運営者)
メールアドレス約100万件(重複除外)漏えいを確認(運営者)
VPN検出ログ約1,500万件コピーされていない(運営者)
決済関連サービスの顧客の記録約5,000件。一部は公開漏えいを確認(運営者)
Discordのパスワードボットは受け取っていない含まれない(運営者)
カード番号の全桁・セキュリティコード決済事業者だけが保持含まれない(運営者)
ボットの悪用約50の大規模サーバーに招待を投稿、ほぼすべて削除済み悪用を確認(運営者)
Tellterの別サービスでのカード請求試みた40件のうち23件が成立、7,331ドル。返金済み確定(運営者)
侵入口使われなくなったサーバー上の、インターネットから届く自社運用のMetabase。管理者セッションの偽造確定(運営者)、CVE番号は非公表
残された裏口クラウド14プロジェクトの監査で見つからず見つからず(運営者)
当局・捜査機関CNILへ10月5日に届け出、10月21日に刑事告訴確定(運営者)
公開されたコピーの削除依頼済み進行中

読み方:「一部のコピー」は運営者の言い方

運営者は、DiscordのIDとIPアドレスの記録は、コピーされたのは一部でも、漏えいした扱いにしています。件数は運営者の言葉でいう概算です。項目ごとの件数は足し合わせません(当サイトの注記:同じ人が複数の項目に入りえます)。

これらの項目の組み合わせで起きうること

一般に、次のような悪用が起きうる組み合わせです。今回それが起きたという意味ではありません。

  • DiscordのIDとユーザー名:直接のメッセージ、または共有しているサーバーでのボットや管理者のなりすましに使える
  • IPアドレスと大まかな位置情報:おおよその場所と契約している通信事業者が分かる。住所ではないが、「居場所を知っている」という脅しに本物らしさを与える
  • メールアドレスとDiscordのID:Discord上の身元とメールアドレスが結びつき、Discordの外から狙うのに使える
  • 決済関連サービスの顧客の請求情報:氏名、請求先住所、カードの下4桁があれば、本物らしい返金や請求書の詐欺が作れる

分析ツールやボットを運用する人へ

運営者によれば、入口は、運営者が使うのをやめたがインターネットから外していなかったサーバー上の、自社運用の分析ツールで、そのあと攻撃者は同じサーバーに保存されていたクラウドの認証情報2つを使いました。同じ種類のツールを経由した侵害は、Metabaseの脆弱性による情報漏えいの記事にまとめています。この件で運営者はCVE番号を示していないので、その記事の脆弱性とは結びつけません。

運営者自身の説明から、次の2点を確認できます。

  • 使っていないシステム: 料金を払っている、またはDNSが残っているサーバーとツールを一覧にし、使わないものは消します。社外から、分析・ダッシュボード・管理のツールがインターネットで応答していないか確かめます。
  • 何でもできる認証情報: 運営者によれば、攻撃者は管理者権限のサービスアカウントの鍵と、保存された管理者のセッションを使いました。サービスアカウントには必要な権限だけを与え、保存したセッションの有効期間を短くし、クラウドのプロジェクトに新しいSSH鍵が追加されたり、初めてのログインがあったりしたら通知します。

Discordボットでは、トークンがボットの身元そのものです。トークンを読める者は、そのボットに権限のあるすべてのサーバーでボットとして動けるため、ボットに与える権限は最小限にします。

出典(公開情報)

本記事の事実は、以下の公開情報にもとづきます。公表されていない手口や、誰の仕業かについての推測はしません。

  • Tellter SAS(Double Counterの運営者)「Security incident INC-2026-10-04」事件報告(2026年10月5日公表、10月21日に第2版、英語)— doublecounter.gg

更新履歴

2026-10-30:初版。運営者の報告の第2版(10月21日)にもとづき、10月30日に確認。運営者が新しい版を出したら更新します。

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よくある質問

QDouble Counterから何が漏れましたか?
A

運営者の報告によれば、DiscordのユーザーIDとユーザー名が約2,800万件、IPアドレスと大まかな位置情報が約2,700万件、ハッシュ化した端末情報(ユーザーエージェント、都市、国)が約2,500万件、重複を除いたメールアドレスが約100万件です。前の2つは一部のコピーで、漏えいした扱いにしており、後の2つはコピーされたとしています。運営者の決済関連サービスの顧客約5,000件の記録もコピーされました。

Q自分は対象ですか? Discordのパスワードは変えるべきですか?
A

サーバーでDouble Counterによる認証を受けたことがあれば、DiscordのIDが記録に含まれている可能性があります。運営者は、Discordのパスワードはボットが受け取っていないため、リセットする対象はなく、Discordアカウントの変更も必要ないとしています。10月4日のUTC13時39分から14時49分の間に認証して役割が付かなかった人は、もう一度認証するよう案内されています。

Qサーバーに投稿された招待メッセージは何ですか?
A

運営者によれば、攻撃者はボットのトークンを使い、Double Counterからの投稿に見える形で、別のDiscordサーバーへの招待を、10月4日のUTC13時30分から約50の大規模サーバーに投稿しました。ほぼすべて削除済みです。サーバー管理者は、10月4日のUTC12時から16時30分の間のDouble Counterによる招待投稿を削除し、監査ログを確認してください。利用者は、予期しないボットの投稿で宣伝されたサーバーに参加しないでください。

Qカード情報は漏れましたか?
A

運営者は、カード番号の全桁とセキュリティコードは決済事業者だけが持つため対象外としています。決済関連サービスの顧客約5,000件の記録(氏名、メール、DiscordのID、請求先住所、プラン、支払い履歴、カードのブランド、有効期限、下4桁)はコピーされ、一部は公開されました。別に、Tellterの別サービスでは、盗まれた決済用の鍵が使われ、11人の保存済みカードに請求されましたが、返金したと運営者は述べています。

Q原因は何ですか?
A

運営者によれば、攻撃者は、ホスティング事業者上の使われなくなったサーバーで、インターネットから届く状態だった自社運用のMetabaseにログインしました。脆弱性により管理者のセッションを偽造でき、そのあと、同じサーバーに保存されていたクラウドの認証情報2つ(管理者権限のサービスアカウントの鍵と、管理者が保存していたコマンドラインのセッション)を使いました。運営者はCVE番号も具体的な脆弱性も示していないので、当サイトは特定のMetabaseの欠陥とは結びつけません。

QDouble Counterを名乗る連絡が来たらどうしますか?
A

運営者は、パスワード、トークン、メールやダイレクトメッセージでの支払いを求めることはないとしています。事件についてのメールが届いても、中のリンクは開かず、自分で運営者のサイトを開いてください。広告主・APIの利用者・決済関連サービスの顧客は、偽の支払いや返金の連絡を含むフィッシングに備えてください。