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ConnectWise Cloud Backup(旧SkyKick)の事案:AIによるサインイン試行が2,250超のMicrosoft 365テナントに、管理者が確認すること

ConnectWiseがアプリ認証情報への不正アクセスでCloud Backupを停止。Microsoftは2,250超のテナントへAIでサインイン試行と公表。管理者が見る項目。

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対象:Microsoft 365の管理者、ConnectWise Cloud Backup・Cloud Management・SaaS Security(旧SkyKick)を使っていたMSP、そのMSPにIT管理を任せている企業。ConnectWiseの勧告とMicrosoftの調査記事に基づいており、攻撃手順は扱いません。

続報待ち:この記事は公式発表に合わせて更新します

2026年10月30日時点

まだ分かっていないこと

  • アプリの認証情報が最初にどう入手されたか
  • 実際に侵害されたテナントの数
  • 顧客データへのアクセスや持ち出しの有無
  • Cloud Backupの復旧完了の時期

ConnectWiseの勧告は2026年10月29日(20:45 UTC)に更新されています。10月28日から、新しいアプリ「ConnectWise Cloud Backup for M365」を通じてMicrosoft 365バックアップの段階的な復旧が始まり、無効化したアプリは同社が指示するまで再有効化しないよう求めています。

Microsoft 365の管理者が今日やること

1

自社と、管理しているすべての顧客テナントで、アプリをIDで探す

Entra IDの「エンタープライズ アプリケーション」と「アプリの登録」を、名前ではなくアプリケーションIDで検索します。ConnectWiseの勧告には、無効化した7つのアプリID(Cloud Backup、Cloud Management、Cloud Managementの連携5つ)が載っており、古い導入ではSkyKickの名前で表示されることがあるとしています。ConnectWiseが公表しているCloud BackupのアプリIDは 506e08f9-6e9a-4da4-942b-a099a03644ae です。全件は勧告本文を見てください。

過去に導入して使わなくなったアプリも、テナントに残っていることがあります。

2

削除せず無効にして、証拠を残す

ConnectWiseもMicrosoftも、ConnectWiseの復旧案内があるまで対象の接続を無効のままにするよう求め、Microsoftは最初の対応としてエンタープライズアプリを削除しないよう助言しています。削除すると同意と、アプリが何をしたかを見る手がかりが消えます。変更の前に、Entraのサインインログ・監査ログ、Purviewの監査記録、SIEMのデータを保存します。

3

サービスプリンシパルのサインインを見る

対象アプリのサインインを、成功と失敗に分けて、少なくとも10月15日以降、できれば10月1日まで遡って確認します。ConnectWiseが公表したIPアドレスだけに絞らないでください。Microsoftは公表IPに限らないよう求めており、ConnectWise自身の手順も、公表IPだけに検索を絞らないよう述べています。このアプリの通常の通信はAzureの範囲からなので、それ以外からの成功したサインインは詳しく見る価値があります。

4

テナント内で何が変わったかを確認する

アプリを無効にしても、すでに行われた変更は戻りません。上の期間について次を確認します。

  • 自分で追加していない、どのアプリへの新しいクライアントシークレットや証明書(特に管理・セキュリティ系のツール)
  • 新しいサービスプリンシパル、新しい所有者、アプリロールや同意の付与
  • ディレクトリロールの付与(特に、アプリに特権ロールが付いていないか)
  • グループ、条件付きアクセスのポリシーや除外の変更

Microsoftは、こうした変更が、元のアプリを無効にした後の再侵入の足がかりになり得るとしています。

5

メールとファイルの動きを確認する

Purviewの監査ログで、新しい受信トレイルール、外部への転送、メッセージを隠す・削除するルール、新しいフルアクセスや代理送信の権限、トランスポートルールの変更を探します。それぞれ、チームが承認した変更と突き合わせます。アプリが認証できたことだけでは、データが持ち出されたとは言えません。また、これまでログを有効にしていなかった期間の記録は、今からは取り戻せません。

6

早めに上げて、提供元にも尋ねる

想定外の認証情報、特権の付与、不審な成功したサインインが見つかったら、インシデント対応の事業者に連絡します。ConnectWiseは、勧告に記載のセキュリティ窓口へ、パスワード・鍵・トークンを含めずに報告するよう求めています。MSPが管理しているなら、どのアプリをいつ使ったか、何を確認したかを尋ねてください。

何が起きたのか(ConnectWiseとMicrosoftの発表より)

  1. 2026年10月15日

    事案を調べたセキュリティ企業が、ベンダーのアプリ認証情報を使った不正サインインの主な集中を確認(同社の報告による)。
  2. 10月16日

    ConnectWiseが勧告を初公表。セキュリティ企業は19:00 UTC時点で162テナントの不正サインインを確認と報告。
  3. 10月17日

    ConnectWiseがアプリのID 7つを無効化し、Cloud Backupの接続に使う証明書を失効してCloud Backupを停止(定期バックアップが止まった)。SaaS SecurityとCloud Managementも予防的に停止したとしている(この手順の時刻は勧告にない)。セキュリティ企業は、同じ接続元からのサインイン活動がある約1,000テナントを確認し、うち300超で成功していたと後に報告。
  4. 10月19日

    ConnectWiseが、影響を受けたCloud Backup環境の全アカウントと認証情報のリセットを完了。
  5. 10月21日

    Microsoftが調査記事を公表。ConnectWiseは、自社の証拠とMicrosoftの脅威情報から、中国の国家と連携するグループによるものとみられると勧告を更新。
  6. 10月28日

    Microsoft 365バックアップの段階的な復旧を開始。パートナーは新しいアプリで各テナントを再承認する必要がある。
  7. 10月29日

    勧告の最新の更新。復旧は継続中。無効化したアプリは同社が指示するまで無効のままにするよう再度求めた。
2,250超
AIでサインイン試行の対象となったテナント(Microsoft)
162
不正サインインを確認したテナント(セキュリティ企業、10/16時点)
7
ConnectWiseが無効化したアプリのID
3時間未満
標的化から特権アクセスまで(一部の例、Microsoft)
両組織が公表していること
サービス
Cloud Backup(旧SkyKick)。MSP経由で販売されるMicrosoft 365のバックアップ。Cloud ManagementとSaaS Securityは、連携しているため予防的に停止
バックアップのアーカイブ
ConnectWise:既存のアーカイブは暗号化・隔離されており、侵害の形跡はない
顧客のテナント
ConnectWise:調査結果から、パートナーや顧客のMicrosoft 365環境が影響を受けたかは判断できない。Microsoft:対象アプリの存在や認証の成功だけで、データへのアクセスがあったとは限らない
帰属
ConnectWise(Microsoftの脅威情報を引用):中国の国家と連携するグループによるものとみられる。Microsoftも同様に評価
Microsoftのシステム
Microsoftは、今回の活動は自社のシステム・製品・サービスの侵害や脆弱性によるものではないとしている
ConnectWiseの他製品
停止した3つのサービス以外に影響がある兆候はないとしている

AIの部分を、分かりやすく

Microsoftによれば、グループが使ったのはARTEXというオープンソースのツールで、複数のAIエージェントが連携して動きます。任意のAIモデルで動き、標的の把握からデータの読み取りまでのセキュリティテストを、人手をほとんど介さず進められるとされています。Microsoftは、10月の公開報道が同じツールを韓国の金融機関の侵害とも結び付けていること(その件の記事)、複数の地域の主体が使っていることも述べています。

Microsoftが述べているのは、これまでと同じ弱点を、はるかに速く突くということです。ベンダーの認証情報が悪用された後、Microsoftによれば、このツールで2,250超のテナントへのサインインが試みられ、入れたところではディレクトリやアプリの設定がたどられました。これらの試行の毎分の件数はMicrosoftは示していません。別の活動として、Microsoftは10月10日から14日に、8組織の327アカウントを狙ったパスワード推測で15万1,000件超のサインイン失敗が出て、10月11日に毎分2,900件でピークになったと述べています。この活動での成功は確認されていません。防御側にとっての実際の影響は、最初の接触から特権アクセスまでが短いことです。1週間後にログを見るより、新しい認証情報やロール変更をその場で知らせる設定のほうが効きます。AIによる侵入全般はHugging Faceの侵入の記事も参照してください。

ベンダーのアプリ認証情報が悪用された

↓

そのアプリは、どんな名前でも自社テナントに残っていないか

→ アプリケーションIDで検索(古い導入も含む)

アプリにロールや新しいシークレットが付けられた(Microsoft、セキュリティ企業)

↓

自分で追加していない認証情報やロールがないか

→ 全アプリの認証情報とディレクトリロールを確認

3時間未満で特権アクセスに至った例(Microsoft)

↓

新しい認証情報を、来週でなく今日知れるか

→ 新しいシークレットやロール変更を通知

公表された事実と、管理者の確認項目(一般的な対応づけ)

分かっていること・分かっていないこと

2026年10月30日時点です。ConnectWiseとMicrosoftが続報を出したら、状態欄を更新します。

項目両組織の発表の内容状態
Cloud Backupのアプリ認証情報への不正アクセスConnectWise勧告(10月16日初公表)確定(ConnectWise)
アプリのID 7つの無効化と証明書の失効10月17日確定(ConnectWise)
影響環境の全アカウント・認証情報のリセット10月19日確定(ConnectWise)
バックアップのアーカイブへのアクセス侵害の形跡なし確認されていない(ConnectWise)
顧客のMicrosoft 365テナントへの影響影響の有無は調査結果から判断できない調査中
AIによるサインイン試行の対象テナント2,250超確定(Microsoft)。試行であり侵害の数ではない
不正サインインを確認したテナント10月16日時点で162。同じ接続元からの成功が後に300超報告(セキュリティ企業)
特権アクセスの取得多数の組織で。件数は示さず、一部は3時間未満確定(Microsoft)
テナントからのデータの持ち出し記載なし。Microsoftはサインインだけでは分からないと注意公表なし
認証情報が最初にどう入手されたか記載なし調査中
関与した主体国家と連携するグループ評価(ConnectWise、Microsoft)
復旧10月28日から段階的に。新しいアプリで再承認が必要進行中

数字の読み方:3つの数は意味が違う

2,250は狙われたテナントの数。162は、ある日の時点で不正サインインが確認されたテナントの数。「300超」は、より広い範囲での、同じ接続元からの成功したサインインの数。どれもデータが盗まれた数ではなく、被害の総数でもありません。

なぜバックアップのアプリ1つが多くの会社に関わるのか

マルチテナントのアプリは、各顧客テナントが承認した1組の認証情報で動きます。その認証情報を持つ者は、承認したすべてのテナントに、そのアプリとしてサインインを試みられます。バックアップ系のツールは広い読み取り権限を持つことが多く、それが便利さの理由であり、権限を慎重に見直すべき理由でもあります。顧客自身の従業員ではなく、信頼されたベンダーとの接続が入口になった過去の事案と同じ形です。関連する事例は2026年の情報漏洩・サイバー攻撃まとめを参照してください。

管理者・MSPへ:広い権限を持つアプリの見直し

ここは当サイトの一般的な推奨で、ConnectWiseやMicrosoftの推奨ではありません。アプリケーション管理者の絞り込み、条件付きアクセスの除外、ワークロードIDの保護、MFAなどは、両組織の公表を超える内容です。認証情報の入手経路(未公表)についての評価ではありません。

  • ディレクトリやメールの権限を持つ外部アプリを一覧にし、所有者と目的を記録して、説明できないものは外す
  • アプリケーション管理者ロールを持つ人を絞る(このロールはアプリに認証情報を追加できる)
  • 新しいクライアントシークレット・証明書、アプリへのディレクトリロール付与を通知する
  • アプリが場所による制限を回避できる条件付きアクセスの除外を見直す
  • 人には多要素認証を、アプリにはワークロードIDの保護を使う(アプリのサインインにはMFAがない)
  • 最後に取れたバックアップの時点を把握する。Cloud Backupが止まっている間の空白の長さを確認し、自分で管理するもう1つのコピーはバックアップと復旧の基本を参照

出典(公開記録)

  • ConnectWise「Cloud Backup (formerly SkyKick) Security Advisory, October 2026」(2026年10月16日初公表・10月29日最終更新、英語)— connectwise.com
  • Microsoft Threat Intelligence「AI-driven, large-scale nation-state campaign using ARTEX enables supply chain compromise」(2026年10月21日、英語)— microsoft.com
  • セキュリティ企業による、ベンダーの認証情報を使った不正サインインの調査報告(10月27日まで更新、英語)— huntress.com

更新履歴

2026-10-30:初版。10月29日更新のConnectWise勧告と、10月21日のMicrosoft調査記事に基づく。どちらかが続報を出したら更新します。

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よくある質問

QConnectWiseで何が起きたのですか?
A

ConnectWiseの勧告(2026年10月16日公表)によれば、MSP向けのMicrosoft 365バックアップサービス「Cloud Backup(旧SkyKick)」に関連するアプリケーションの認証情報に不正アクセスがありました。同社は10月17日にアプリのID 7つを無効化し、Cloud Backupを停止、SaaS SecurityとCloud Managementも予防的に停止し、10月19日に影響を受けたCloud Backup環境の全アカウントと認証情報をリセットしました。

Q自社のMicrosoft 365テナントやデータは影響を受けましたか?
A

ConnectWiseは、個別のパートナーや顧客のMicrosoft 365環境が影響を受けたかは調査結果からは判断できず、既存のバックアップに侵害の形跡はないとしています。Microsoftは、対象アプリの存在や認証の成功だけでデータへのアクセスや持ち出しがあったとは限らないとしています。実際には、下記の識別子と変更の有無を自社テナントで確認する必要があります。

Q「2,250テナント」とは何の数ですか?
A

Microsoftは、グループがAIフレームワークで2,250超のテナントへのサインインを試みたとしています。これは狙われたテナントの数で、侵害された数ではありません。多くは失敗したが、特権のクラウドアクセスは多数の組織で得られたとしていますが、件数は示していません。別のセキュリティ企業は10月16日時点で162テナントの不正サインインを確認し、その後、同じ接続元からの成功したサインインが300超あったと報告しました。これらは測っているものが違い、足し合わせられません。

QAIで攻撃はどう変わったのですか?
A

Microsoftは、このツールを、任意のAIモデルを使い、偵察からデータ取得までを人手をほとんど介さず実行できる複数のAIエージェントの仕組みと説明しています。Microsoftの評価では、これにより多数のテナントを機械の速さで試せ、最初の標的化から3時間未満で特権アクセスに至った例もあります。使われた弱点は、サインインの認証情報とアプリの権限という従来のものです。

QMicrosoft 365の管理者は何を確認すべきですか?
A

影響を受けたConnectWiseとSkyKickのアプリを、表示名ではなくアプリケーションIDで検索します。削除せず無効のまま保ち、ログを保全し、サービスプリンシパルのサインイン、アプリへの新しいクライアントシークレットや証明書、ディレクトリロールの付与、同意の付与、条件付きアクセスの変更、メールボックスのルールを、記録が残る範囲で10月1日ごろから確認します。

Q誰が攻撃したのですか。原因は分かっていますか?
A

ConnectWiseは、自社の証拠とMicrosoftが共有した脅威情報から、中国の国家と連携するグループによるものとみられるとしています。Microsoftも同様に評価しています。アプリの認証情報が最初にどう入手されたかは公表されておらず、Microsoftは、今回の活動はMicrosoft自身のシステム・製品・サービスの侵害や脆弱性によるものではないとしています。