対象:ファンケルとアテニアのECサイトの会員と、会員向けECサイトを運用している人。本記事は両社の公式発表にもとづく解説で、攻撃や詐欺の手順は扱いません。
続報待ち:この記事は公式発表に合わせて更新します
2026年10月25日時点まだ分かっていないこと
- 原因(攻撃の詳細は開示しないとしている)
- 停止した機能の内容
- 両社の会員の重複を除いた人数
- アテニアの会員への個別連絡が済んだかの案内
両社は10月16日の発表で、「今後、新たに公表すべき事実が判明した場合には、速やかにお知らせいたします」としています。10月25日に両社のニュース一覧を確認した時点で、続報は出ていません。
両社の会員が今日やること
自分が対象かを確かめる:登録メールアドレスへの案内を見る
対象は両社が保有する会員情報の一部です。ファンケルのよくあるご質問によれば、対象のお客様には10月17日(土)中に、登録メールアドレス宛に連絡したとしています(10月25日に確認)。
案内が届いているか分からないときや、届いたメールが本物か迷うときは、ファンケル/アテニア共通専用ダイヤル(0120-333-600、受付は9時〜17時、土日祝日を含む)に問い合わせてください。番号はメールに書かれたものではなく、公式発表に載っているものを使います。
両社を名乗るメール・SMSのリンクを開かない
両社は、漏えいした個人情報が「なりすましメールやフィッシング詐欺などに悪用されるおそれがあります」としています。ポイントの失効、会員ステージの変更、お詫びや補償をうたう連絡は、会員にとって不自然でないため気づきにくくなります。
内容を確かめたいときは、自分で開いた公式サイトやアプリを使ってください(見分け方は フィッシングとは)。
電話・郵便でも、パスワードやカード番号を伝えない
住所と電話番号も漏れているため、偽の連絡はメールだけとは限りません。両社は、パスワードやクレジットカード情報などを尋ねることはないとしています。
電話で求められたら、いったん切って、公式発表に載っている番号にかけ直してください。郵便物に書かれた電話番号やQRコードも使わないでください。
2次パスワードを他でも使っていれば、そちらを変える
漏えいした項目には、サブメールアドレスとそのパスワードが含まれます。両社によれば、これは一部の人が設定しているハッシュ化された2次パスワードで、そのままでは読み取れない情報です。メインのパスワードは対象外です。
ハッシュ化されていても、短い・ありふれた文字列は時間をかければ割り出されることがあります(パスワードのハッシュ化とは)。2次パスワードを設定した覚えがあり、同じ文字列を他のサービスでも使っている人は、そちらを変更してください。両社も定期的なパスワードの変更を呼びかけています。
秘密の質問の答えを、誰にも伝えない
本人認証の質問は、項目だけが漏れ、回答は含まれていません。どの質問を選んだかを知った相手が、電話やメールで答えを聞き出そうとすることは一般に考えられます。答えを尋ねる連絡には応じず、同じ質問と答えを他のサービスでも使っていれば、そちらを見直してください。
生年月日と性別まで漏れていることの意味
氏名・住所・電話番号に加えて、生年月日・性別・お客様番号・会員ステージまでそろうと、本人確認の受け答えに使われる情報の多くを相手が持っていることになります。「お客様番号と生年月日を言い当てたから本物」とは判断できません。少しでも迷ったら、自分から公式の窓口に連絡してください。
何が起きたか(ファンケル・アテニアの発表から)
株式会社ファンケルと株式会社アテニアは2026年10月16日、連名で「第三者による不正アクセスに伴う個人情報漏えいに関するお詫びとお知らせ」を両社のサイトに出しました。以下はすべて両社の発表内容です。
2026年10月3日(土)〜10月10日(土)
ファンケルとアテニアのECサイトが不正アクセスを受けていた(10月15日の内部調査で判明)。10月15日(木)
内部調査で判明。同日、緊急対策本部を設置。その後
調査で会員情報の一部の漏えいを確認し、原因となった機能を特定して停止(日付は書かれていない)。10月16日(金)
個人情報保護委員会と警察に報告・相談。両社のサイトで公表。10月17日(土)
共通専用ダイヤルを9時に開設。ファンケルのよくあるご質問によれば、対象のお客様に同日中に登録メールアドレス宛で連絡。
- 対象
- ファンケルとアテニアのECサイト。両社が保有する会員情報の一部
- ファンケル会員
- 39万3,785件、36万8,184名
- アテニア会員
- 44万1,162件、41万7,312名(項目はファンケル会員と同じ)
- 項目
- メールアドレス、氏名、住所、電話番号、生年月日、性別、お客様番号
- パスワード関連
- サブメールアドレスとそのパスワード(一部の人が設定しているハッシュ化された2次パスワード)。メインのパスワードは対象外
- 本人認証
- 本人認証質問の項目。回答は含まない
- その他の会員登録情報
- ポイント情報、会員ステージ情報、メールマガジン配信希望の有無、店舗での購入の有無
- 含まれないもの
- クレジットカードなどの決済情報
- 被害の状況
- 不特定多数への公開、不正利用、お客様からの申し出は、いずれも確認されていない(10月16日時点)
- 原因
- 公表されていない。サイバー攻撃の詳細は開示を差し控えるとしている
- 問い合わせ
- ファンケル/アテニア共通専用ダイヤル 0120-333-600(9時〜17時、土日祝日を含む)、Eメール center@fancl.co.jp
連絡先
メールアドレス・住所・電話番号
本人の属性
氏名・生年月日・性別・お客様番号
会員の情報
ポイント・会員ステージ・秘密の質問の項目
↓ 起こりうること(一般に)
本人の情報を言い当てる偽のメール・SMS・電話・郵便
ポイント失効・会員ステージ・お詫びや補償を装う
↓ 指示には従わない
公式サイト・アプリか共通専用ダイヤルで確かめる
分かっていること・分かっていないこと
2026年10月25日時点の両社の発表(10月16日のお知らせ)と、ファンケルのよくあるご質問をもとに整理しました。続報が出たら、状態の欄を書き換えます。
| 項目 | 発表の内容 | 状態 |
|---|---|---|
| メールアドレス・氏名・住所・電話番号・生年月日・性別・お客様番号 | 両社の会員情報の一部で漏えい | 漏えいを確認(両社) |
| サブメールアドレスと2次パスワード | 一部の人が設定したもの。パスワードはハッシュ化 | 漏えいを確認(両社) |
| 本人認証質問 | 質問の項目のみ。回答は含まない | 漏えいを確認(両社) |
| ポイント・会員ステージなどの会員登録情報 | メールマガジン配信希望・店舗での購入の有無を含む | 漏えいを確認(両社) |
| メインのパスワード | 対象外 | 含まれない(両社) |
| クレジットカードなどの決済情報 | 対象の情報に含まれない | 含まれない(両社) |
| 件数と人数 | ファンケル 39万3,785件・36万8,184名、アテニア 44万1,162件・41万7,312名 | 確定(両社) |
| 両社の会員の重複 | 両社の合計の人数は書かれていない | 記載なし |
| 不正アクセスの期間 | 10月3日〜10日 | 確定(両社) |
| 原因 | 原因となった機能を停止。どの機能かと攻撃の詳細は開示しない | 記載なし |
| 他の不正アクセス・マルウェア感染 | 本件以外は確認されていない | 確認されていない(両社) |
| 不正利用・二次被害 | 確認されていない(10月16日時点) | 確認されていない(両社) |
| 対象者への個別連絡 | 登録メールアドレス宛に連絡。ファンケルのよくあるご質問では10月17日中に連絡済み | 確定(ファンケル) |
件数を足し合わせない理由
両社は、ファンケル会員とアテニア会員を分けて件数と人数を公表しています。両方の会員になっている人がいるかどうか、合計で何人かは書かれていません。本記事では2社の数字を別々に示し、合算しません。
氏名・住所・電話番号・生年月日がそろって漏れると何が起きうるか
一般に、連絡先と本人の属性がそろって漏れると、受け取った側が本物と思い込みやすい連絡が作れます(この事件で起きたという発表はありません)。
一般に起こりうること
- 氏名・お客様番号・会員ステージを書いた偽のポイント失効や特典の案内
- 「お詫び」「補償」を装い、カード情報の入力や送金を求める連絡
- 生年月日を言い当てて信用させ、パスワードや秘密の質問の答えを聞き出す電話
自分でできること
- 案内の中身は公式サイトやアプリで確かめる
- 電話は切って、公式発表に載っている番号にかけ直す
- パスワード・カード番号・秘密の質問の答えは、誰に聞かれても伝えない
氏名・住所・電話番号が漏れた事案で、電話や郵便を使った偽の連絡に備える方法は、ムラウチドットコムの個人情報漏えいでも整理しています。パスワードの使い回しを確かめる方法は パスワード漏えいの確認方法 を参照してください。
会員向けECサイトを運用する人へ
原因は公表されていないため、ここでは公表された経緯から言えることに絞ります。攻撃の種類を推測して「これを塞げば防げた」とは書きません。
機能ごとに止められるようにしておく
両社は、原因となった機能を特定して停止したとしており、本件による事業活動・サービスへの影響はないとしています。サイト全体を止めずに、問題のある機能だけを切り離せる作りにしておくと、調査を続けながら被害の広がりを抑えられます。自社のECサイトでも、会員情報を返す機能ごとに、止める手順と担当者を決めておきます。
あまり使われない項目も、漏れたときの影響で見直す
漏えいした項目には、一部の人だけが設定するサブメールアドレスと2次パスワード、本人認証質問の項目が含まれていました。使う人が少ない機能のデータも、会員情報と一緒に持っていれば、漏えいの対象になります。使われていない機能のデータは削除できないか、本当に会員情報と同じ場所に置く必要があるかを、定期的に確かめます。
パスワードは、漏れても読めない形で持つ
両社は、2次パスワードをハッシュ化して持っていたとしています。会員のパスワードは、平文や元に戻せる形で持たず、ソルト付きの遅いハッシュ(bcrypt や Argon2 など)で保存するのが基本です。詳しくは パスワードの保存方法(ハッシュとソルト) を参照してください。
対象者への連絡と窓口を、公表の翌日までに用意する
両社は公表の翌日に共通専用ダイヤルを開き、ファンケルのよくあるご質問によれば同日中に対象者へメールで連絡しました。偽の連絡が出回る前に本物の案内が届けば、会員は見分けやすくなります。案内のメールには、リンクから個人情報を入力させる作りを避け、公式サイトで確かめるよう添えると、偽物との区別がつきやすくなります。
出典(公開記録)
本記事の事実関係は、以下の公開情報にもとづきます。公表されていない攻撃の詳細や原因は推測していません。
- 株式会社ファンケル・株式会社アテニア「第三者による不正アクセスに伴う個人情報漏えいに関するお詫びとお知らせ」(2026年10月16日) — fancl.jp(PDF) / attenir.co.jp(PDF、同じ内容)
- ファンケル よくあるご質問「ファンケルの不正アクセス・個人情報漏えいに関するお詫びとお知らせについて」(10月25日に確認) — faq.fancl.co.jp
更新履歴
2026-10-25:初版。ファンケル・アテニアの10月16日の発表と、ファンケルのよくあるご質問にもとづく。原因や対象範囲の続報が出たら更新します。
次に読む
- 住所・電話番号の漏えい:ムラウチドットコムの個人情報漏えい
- 偽メールへの備え:フィッシングとは
- パスワード:パスワード漏えいの確認方法 / パスワードマネージャーの選び方
- 同じ時期の国内事案:アバハウスの個人情報漏えい / トレジャー・ファクトリーの不正アクセス
- 2026年の他の事案:情報漏えい・サイバー攻撃の一覧(国内・海外)