対象:Bithumbのアカウントを持っている(持っていた)人と、同社の従業員。本記事は同社の発表を伝える韓国報道にもとづく解説で、攻撃の手順は扱いません。
続報待ち:この記事は公式発表に合わせて更新します
2026年10月30日時点まだ分かっていないこと
- アクセスの方法・原因
- 人数(顧客844名・従業員715名)の変更の有無
- 不正使用の有無(今後)
- 当局の調査結果
報道によれば、同社はサービスの開発元とともに保安点検とパッチを進めており、2次被害が確認されれば救済と補償に努めるとしています。10月30日に確認した時点で同社自身のお知らせはアクセスエラー(HTTP 403)で開けなかったため、人数と項目は、内容が一致する韓国の3紙(亜洲経済・韓国日報・EBN)の報道にもとづきます。ファイナンシャルニュースと世界日報は初期の経過にのみ使っています。10月30日時点で続報は見当たりませんでした。
利用者が今日やること
自分が対象かを確かめる
同社はサイトにお知らせを掲載し、報道によれば10月29日午後から対象の顧客に順次個別に連絡しています。自分の情報が露出したかは、そのお知らせで確認できます。メールやSMSのリンクではなく、自分で同社のサイト・アプリを開いて確かめます。
自分の情報を並べた連絡を疑う
氏名・携帯電話番号・メールアドレス・口座番号がそろえば、本物らしい偽の連絡が作れます。「流出の確認」「補償」「アカウント確認」をうたう電話・SMS・メールは、内容が合っていても偽物のことがあります。リンクや電話番号は使わず、自分で公式アプリ・サイトを開いてください。ワンタイムコード・パスワード・リカバリーフレーズは、誰にも伝えないでください。正規の事業者がこれらを尋ねることはありません。EBNが伝える同社のお知らせも、同社職員を名乗って認証コードを尋ねる電話・メッセージやアプリのインストールを促す連絡には応じず、問題は公式のコールセンターにだけ連絡するよう呼びかけています。
身分証の番号や写しが対象の可能性がある人
報道では、顧客により住民登録番号・運転免許証番号・身分証の写しが露出項目に含まれます。なりすましの材料になりえます。
- 先方から連絡してきた相手に、身分証やその写しを再送しない
- 自分の名義の身に覚えのない契約・借入・回線の通知に注意する
- 一般的な手順は運転免許証の番号や写しが漏れたときの対処を参照。住民登録番号については韓国当局の案内に従う(本件での公式な手続きは確認できていません)
アカウントの守りを固める
同社は、取引所のアカウントへの直接の侵入は確認されていないとしています。次は念のための対策です(当サイトの推奨)。
- 取引所が用意していれば、2段階認証と出金先アドレスの許可リスト(ホワイトリスト)をオンにする
- 他で使っていない長いパスワードにし、パスワードマネージャーで管理する
- 最近のログインと出金に身に覚えのないものがないか見る
従業員の方
報道では従業員715名も対象です。社内の連絡に従ってください。
顧客6,444名分の記録
社内モバイルグループウェアにあった情報
↓
5,600名分:暗号化(DRM)
外部から読めず、露出していない
844名:個人情報が露出
項目は顧客により異なる
従業員715名
あわせて対象
内訳の数字は報道による(5,600+844=6,444)。
何が起きたのか(同社の発表の報道より)
10月30日に確認した時点で、同社自身のお知らせはHTTP 403で開けませんでした。以下は、10月29日の発表を伝える韓国報道(亜洲経済、韓国日報、EBN)にもとづきます。初期の経過として、ファイナンシャルニュース(10月28日)は会員情報の可能性を確認中と報じ、世界日報(10月29日)は、最初は従業員の情報が報告され、その後に顧客の情報も確認されたと報じました。
2026年10月27日 11:28〜12:27(韓国時間)
報道によれば、社内モバイルグループウェアへの異常なアクセスがあった時間帯10月27日 12:14
同社が異常なアクセスを最初に認知。アクセス経路を遮断し、グループウェアの使用を中止10月27〜28日
韓国インターネット振興院(KISA)や個人情報保護委員会などの当局に届出。当初は従業員の情報が対象と説明10月29日
顧客の個人情報も露出したと発表(844名)。お知らせを掲載し、対象の顧客への連絡を開始
- システム
- 社内のモバイルグループウェア。同社は、取引所のアカウントや顧客資産の情報と分離された内部システムとしている
- 露出した項目(顧客により異なる)
- 氏名、携帯電話番号、メールアドレス、住民登録番号、運転免許証番号、口座番号、身分証の写し
- 露出していないもの
- 顧客6,444名分のうち5,600名分は、外部からアクセスできないDRM暗号化ファイル
- 取引所と資産
- 取引所サービスや顧客データベースへの直接の侵入は確認されていない。顧客資産の被害は報じられていない
- 対応
- アクセス経路の遮断、グループウェアの使用中止、開発元との保安点検とパッチ、当局への届出
- 補償
- CEOが謝罪し、2次被害が確認されれば救済と補償に努めるとした
分かっていること・分かっていないこと
2026年10月30日時点の状況です。続報があれば表を更新します。
| 項目 | 発表の内容(報道) | 状態 |
|---|---|---|
| 社内モバイルグループウェアへの不正アクセス | 10月27日に認知、経路を遮断 | 公表(同社) |
| 個人情報が露出した顧客 | 844名 | 公表(同社、報道経由) |
| 対象の顧客記録の合計 | 6,444名分。うち5,600名分は暗号化され外部から読めない | 公表(同社、報道経由) |
| 従業員の対象 | 715名 | 報道 |
| 氏名・電話・メール・住民登録番号・免許証番号・口座番号・身分証の写し | 含まれる(顧客により異なる) | 露出(同社、報道経由) |
| 取引所サービス・顧客データベース・顧客資産 | 直接の侵入は未確認、資産の被害は報じられていない | 未確認(同社) |
| パスワード | 項目に挙がっていない | 記載なし |
| 不正使用 | 発表なし | 記載なし |
| アクセスの方法 | 公表されていない | 調査中 |
| 当局の調査結果 | 公表されていない | 記載なし |
注意:数字は報道にもとづく
同社自身のお知らせは開けなかった(HTTP 403)ため、人数と項目は、韓国の報道が同社の発表として伝えた内容です。原因の推測は書いていません。同社のお知らせと異なる点があれば、本ページを訂正します。
これらの項目で何が起きうるか
次は、この項目の組み合わせで一般に起こりうることです。同社が、これらが起きたと発表しているわけではありません。
- 氏名+携帯電話番号+メールアドレス:取引所や当局を装った、本物らしい偽の電話・SMS・メールの材料
- 口座番号+氏名:返金・補償・口座確認を装う連絡の材料
- 住民登録番号・運転免許証番号・身分証の写し:本人になりすます材料。偽の申込みや「本人確認」の求めに使われうる。番号や写しだけで取引所の資産が動くわけではない。当サイトの見方では、アカウントの再設定の依頼を本物らしく見せる材料にもなりうる(一般論で、本件でそうした事実は発表されていない)
- 多くは、連絡のリンクや番号を使わないこと、ワンタイムコードやパスワードを伝えないこと、2段階認証をオンにすることで防げます
運営者が見直すこと
アクセスの方法は公表されていないため、発表から言える範囲に限ります。
- 社内の業務ツールにある個人情報:露出したのは取引所と分離されたグループウェアにあった情報。こうしたツールに本人確認書類や口座情報をどれだけ、どれだけの期間置き、誰が開けるかを見直す
- ファイルの暗号化:報道では、6,444名分のうち5,600名分は外部から読めないDRM暗号化ファイルで、露出が限定された。ファイル単位の保護が効いた例
- 検知から届出まで:報じられたアクセスの時間帯は約1時間で、その間に認知している。検知から遮断、当局への届出までの手順を訓練しておく
出典(公開記録)
本記事の事実は、以下の公開情報にもとづきます。同社自身のお知らせは、2026年10月30日の確認時にHTTP 403で開けませんでした。原因の推測はしていません。
- 亜洲経済、社内システムのハッキングによるBithumb顧客の個人情報流出の報道(韓国語、2026年10月29日、10月30日確認)— view.asiae.co.kr
- 韓国日報、Bithumb顧客の個人情報露出の報道(韓国語、2026年10月29日、10月30日確認)— hankookilbo.com
- EBN、Bithumbの個人情報事故と同社の注意喚起の報道(韓国語、2026年10月29日、10月30日確認)— ebn.co.kr
- 世界日報、Bithumb顧客情報流出の初期の報道(韓国語、2026年10月29日、10月30日確認)— segye.com
- ファイナンシャルニュース、Bithumbなど金融各社の侵害の第一報(韓国語、2026年10月28日、10月30日確認)— fnnews.com
更新履歴
2026-10-30:初版。10月28日・29日の同社の発表を伝える韓国報道にもとづく(10月30日確認、続報なし)。原因、人数の変更、当局の調査結果が出た時点で更新します。
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