対策・学習17分で読める

グリーンモンスターのアプリ「FXなび」のユーザー情報漏えいのおそれ(約619万件):メールアドレス・アンケート回答などが対象、利用者がやること

グリーンモンスター株式会社のFXデモトレードアプリ「FXなび」で、約619万件のユーザー情報等が第三者に取得されたおそれがあります。メールアドレス6万6,003件、X(旧Twitter)のID、初回アンケートの回答、ログイン用の認証情報など。氏名・住所・カード・口座は登録項目にありません。偽の連絡と投資勧誘への備えを整理します。

本文を読む
公開日
更新日
最終確認
目次

対象:グリーンモンスター株式会社のFXデモトレードアプリ「FXなび」の利用者と、スマホアプリのAPIを運用している人。本記事は同社の公式発表にもとづく解説で、攻撃や詐欺の手順は扱いません。

続報待ち:この記事は公式発表に合わせて更新します

2026年10月26日時点

まだ分かっていないこと

  • 実際に取得されたかどうか(現在は「おそれ」)
  • 何人分か(約619万件は件数)
  • 原因となったAPIの機能の内容
  • ログイン用の認証情報と引き継ぎコードの中身・扱い
  • 対象者への個別の連絡の有無
  • 具体的な再発防止策

同社は10月23日の発表で、具体的な再発防止策は「本件調査結果を踏まえ、改めてお知らせいたします」としています。適時開示では、業績への影響は精査中で、開示すべき事項が生じた場合には速やかに知らせるとしています。10月26日に同社のニュース一覧を確認した時点で、続報は出ていません。

FXなびの利用者が今日やること

1

同社を名乗るメールのURL・添付ファイルを開かない

同社は、同社や関係する企業を装った不審なメール等が届くおそれがあるとして、心当たりのないメールのURLや添付ファイルを開かないよう呼びかけています。メールアドレスは6万6,003件が対象です。

「アカウントの確認」「お詫び」「キャンペーン当選」など、FXなびの利用者に自然に見える件名でも、リンクからは操作しないでください(見分け方は フィッシングとは)。

2

XのDMで届く、FXなびを名乗る連絡に応じない

X(旧Twitter)のIDも6,434件が対象です。FXなびのアカウントに見せかけたDMや、「利用者限定のグループ」への招待が届いても応じないでください。

本物かどうかは、DMのリンクではなく、自分で開いた公式アプリやFXなびの公式アカウントの投稿で確かめます。

3

投資の勧誘は、FXなびを名乗っても相手にしない

同社は、メールやメッセージでパスワード・金融機関の口座情報・クレジットカード情報を尋ねることはなく、投資の勧誘も行わないとしています。

自動売買ツールの販売、シグナルの配信、海外の取引口座の開設、指定口座への入金を勧める連絡は、FXなびを名乗っていれば偽物です。名乗っていなくても、成績や年代を言い当てる勧誘は疑ってください。

4

アプリは公式ストアから入れたものを使う

同社は、修正前に発行したログイン用の認証情報をすべて無効にしたとしています。利用者がログインし直す必要があるかなど、利用者側の手順は発表に書かれていません。

「再ログインが必要です」などの案内がメールで届いても、そのリンクからアプリを入れ直したり、ログインしたりしないでください。App Store や Google Play から入れた公式アプリを、自分で開いて確かめます。

5

分からないことは、発表に載っている窓口に聞く

引き継ぎコード(5,120件が対象)の扱いや、自分の情報が含まれるかなど、発表に書かれていないことは、同社の問い合わせ窓口(メール:fxnavi-202610@greenmonster.co.jp)に問い合わせてください。

窓口のアドレスは、届いたメールに書かれたものではなく、同社サイトのお知らせに載っているものを使います。

成績や年代を知っている連絡でも、本物とは限らない

取得されたおそれがある項目には、年代・性別・職業分類・初回アンケートの回答・成績などの利用データが含まれます。「あなたの取引成績を拝見しました」のように、利用者しか知らないはずの内容を書いた連絡でも、それだけで同社からの連絡とは判断できません。少しでも迷ったら、公式アプリや同社サイトのお知らせで確かめてください。

何が起きたか(グリーンモンスターの発表から)

グリーンモンスター株式会社は2026年10月23日、同社サイトのお知らせと東京証券取引所の適時開示で「当社アプリ『FXなび』におけるユーザー情報等漏えいのおそれ」を公表しました(適時開示は第一報と明記)。以下はすべて同社の発表内容です。

  1. 2026年4月27日(月)20時26分頃〜4月30日(木)14時26分頃

    第三者が、FXなびからユーザー情報等を継続的に取得していたおそれがある期間(10月の調査で判明)。
  2. 10月17日(土)

    アプリに対する第三者からの不正なアクセスを確認し、調査を開始。この不正アクセスによるユーザー情報等の漏えいは確認されていない。
  3. 調査の過程

    4月に、10月の不正アクセスとは別のIPアドレスの第三者による取得のおそれが判明。原因は「本アプリのAPIの機能によるもの」と確認。
  4. 10月23日(金)までに

    APIの機能とログイン用の認証情報を修正し、修正前に発行した認証情報をすべて無効化(日付は書かれていない)。
  5. 10月23日(金)

    同社サイトのお知らせと適時開示(第一報)で公表。
約619万件
取得されたおそれがあるユーザー情報等(個人情報に当たらないものを含む)
6万6,003件
メールアドレス
480万9,631件
初回アンケートの回答
登録項目にない
氏名・住所・電話番号・生年月日・カード・口座・マイナンバー(同社)
取得されたおそれがある情報(同社の発表から)
対象
FXデモトレードアプリ「FXなび」のユーザー情報等。約619万件(個人情報に当たらないものを含む)
ユーザーに関する情報
メールアドレス(6万6,003件)、ニックネーム、性別(14万2,578件)、年代(13万9,293件)、職業分類(14万9,137件)、X(旧Twitter)のID(6,434件)、自己紹介として書いた内容、アイコン画像のURL
アンケートに関する情報
初回アンケートの回答(480万9,631件)
アプリの利用に関する情報
端末固有のID、ログイン用の認証情報、引き継ぎコード(5,120件)、プッシュ通知用の識別子、広告ID、アクセス元のIPアドレス、利用データ(成績等)
登録できない項目
氏名、住所、電話番号、生年月日、クレジットカード情報、銀行口座情報、マイナンバー
原因
「本アプリのAPIの機能によるもの」と確認。詳細は公表されていない
対応
APIの機能を修正、ログイン用の認証情報を修正、修正前に発行した認証情報をすべて無効化。外部の専門家の助言を受けて調査中
被害の状況
情報の公開、なりすまし、その他の二次被害は確認されていない(10月23日時点)
他のサービス
同社の「株たす」「トウシカ」も調査中。ユーザー情報等が取得された事実は確認されていない
問い合わせ
メール:fxnavi-202610@greenmonster.co.jp

連絡先

メールアドレス・XのID

本人の属性

年代・性別・職業分類・アンケートの回答

アプリの利用

成績などの利用データ・ニックネーム

↓ 起こりうること(一般に)

投資に関心がある人を狙った、本物らしい勧誘や偽の案内

メール・XのDM・グループへの招待を装う

↓ 指示には従わない

公式アプリか、同社サイトのお知らせで確かめる

取得されたおそれがある項目の組み合わせと、そこから一般に起こりうる偽の連絡。同社は二次被害を確認していない。

分かっていること・分かっていないこと

2026年10月26日時点の同社の発表(10月23日のお知らせと適時開示)をもとに整理しました。続報が出たら、状態の欄を書き換えます。

項目発表の内容状態
メールアドレス・XのID6万6,003件・6,434件可能性(同社)
ニックネーム・性別・年代・職業分類・自己紹介・アイコン画像のURL性別・年代・職業分類は件数あり可能性(同社)
初回アンケートの回答480万9,631件可能性(同社)
ログイン用の認証情報修正前に発行したものはすべて無効化。中身は書かれていない可能性(同社)
引き継ぎコード5,120件。無効化したかは書かれていない可能性(同社)
端末固有のID・プッシュ通知用の識別子・広告ID・IPアドレス・成績などの利用データ件数は書かれていない可能性(同社)
氏名・住所・電話番号・生年月日・カード・口座・マイナンバーアプリに登録できる項目に含まれない含まれない(同社)
件数約619万件(個人情報に当たらないものを含む)。人数は書かれていない同社発表
取得されたおそれがある期間4月27日20時26分頃〜4月30日14時26分頃同社発表
10月17日の不正アクセスこの不正アクセスによる漏えいは確認されていない確認されていない(同社)
原因「本アプリのAPIの機能によるもの」。詳細は書かれていない調査中
二次被害情報の公開・なりすましなどは確認されていない(10月23日時点)確認されていない(同社)
「株たす」「トウシカ」への影響取得された事実は確認されていない。調査中確認されていない(同社)
対象者への個別の連絡発表に書かれていない記載なし
個人情報保護委員会への報告発表に書かれていない記載なし

約619万件を「619万人」と読まない理由

同社の発表の見出しは「対象となるユーザー数」ですが、本文は「約619万件のユーザー情報等」と件数で示しており、何人分かは書いていません。内訳で最も多いのは初回アンケートの回答(480万9,631件)で、メールアドレスは6万6,003件です。同社は、個人情報に当たらないものも含むとしています。本記事では件数を人数に置き換えず、項目ごとの件数をそのまま示します。

メールアドレス・XのID・投資の属性がそろうと何が起きうるか

一般に、連絡先と「投資に関心がある」という属性がそろって漏れると、投資詐欺の勧誘先として使われることがあります(この事件で起きたという発表はありません)。

一般に起こりうること

  • FXなびや関係企業を名乗る、偽のキャンペーンや特典の案内
  • 年代や成績に合わせた、自動売買ツールやシグナル配信の勧誘
  • XのDMから外部のグループに誘い、海外の口座への入金を勧める連絡

自分でできること

  • 案内の中身は公式アプリか同社サイトのお知らせで確かめる
  • 投資の勧誘は、相手が誰を名乗っても、その場で入金や登録をしない
  • メールやDMに書かれた連絡先・リンクは使わない

メールアドレスと会員情報が漏れた別の事案で、偽の連絡に備える方法は 焼肉きんぐ公式アプリの不正アクセス でも整理しています。サポートを名乗る偽の連絡の一般的な見分け方は 偽のウイルス警告とサポート詐欺 を参照してください。

スマホアプリのAPIを運用する人へ

原因は「APIの機能によるもの」とだけ公表されており、どの機能のどのような問題かは分かっていません。ここでは公表された経緯と項目から言えることに絞ります。今回の原因を推測して「これを塞げば防げた」とは書きません。

1

半年前のアクセスまでさかのぼれるように、記録を残す

同社の発表では、4月の取得は10月の別の不正アクセスの調査の過程で判明し、期間は分単位の時刻で示されています。APIへのアクセスの記録(いつ・どの端末やIPから・何件返したか)を数か月以上残しておくと、後から別件で気づいたときに範囲を確かめられます。保存期間の目安として、カード業界の基準(PCI DSS)は監査ログを12か月保存することを求めています。

2

1つの相手が取得する量に上限と通知をつける

同社によれば、取得は4月27日夜から4月30日午後まで(約2日18時間)にわたって「継続的に」行われていたおそれがあります。一般に、APIでは利用者1人・端末1台・IPアドレス1つあたりの取得件数に上限を設け、上限の8割に達したら担当者に通知する作りが、大量の取得に早く気づく最初の一歩になります。測る場所と設定の例は レート制限と濫用対策 にまとめています。

3

発行済みのログイン用の認証情報を、一括で無効にできるようにしておく

同社は、修正前に発行したログイン用の認証情報をすべて無効化したとしています。漏れたおそれのある認証情報を全員分まとめて無効にできれば、利用者が何もしなくても、古い認証情報での成りすましを止められます。自社のアプリでも、トークンを一括で失効させる手順と、そのあと利用者にどうログインし直してもらうかを、事前に決めておきます。

4

APIが返す項目を、画面に必要なものだけに絞る

取得されたおそれがある項目には、広告ID・プッシュ通知用の識別子・引き継ぎコードなど、利用者が画面で目にしない情報も含まれます。一般に、APIが他の利用者の情報を返す作りでは、IDの書き換えで他人のデータが見えてしまう問題(IDOR)にも注意が要ります。今回の原因がそうだとは同社は書いていませんが、APIが返す項目と、誰の情報を返してよいかの確認は、見直しの起点になります。

出典(公開記録)

本記事の事実関係は、以下の公開情報にもとづきます。公表されていない原因の詳細や攻撃の方法は推測していません。

  • グリーンモンスター株式会社「当社アプリ『FXなび』におけるユーザー情報等漏えいのおそれに関するお詫びとお知らせ」(2026年10月23日) — greenmonster.co.jp
  • グリーンモンスター株式会社「当社アプリ『FXなび』におけるユーザー情報等漏えいのおそれに関するご報告(第一報)」(2026年10月23日、適時開示) — TDnet(PDF)

更新履歴

2026-10-26:初版。グリーンモンスターの10月23日のお知らせと適時開示(第一報)にもとづく。原因・対象者・再発防止策の続報が出たら更新します。

次に読む

最新の速報

速報の一覧 →

よくある質問

QFXなびの件で何が漏れたのですか?
A

グリーンモンスターの2026年10月23日の発表によれば、取得された「おそれ」があるのは、メールアドレス(6万6,003件)、ニックネーム、性別、年代、職業分類、X(旧Twitter)のID(6,434件)、自己紹介、アイコン画像のURL、初回アンケートの回答(480万9,631件)、端末固有のID、ログイン用の認証情報、引き継ぎコード(5,120件)、プッシュ通知用の識別子、広告ID、アクセス元のIPアドレス、成績などの利用データです。対象は全体で約619万件で、個人情報に当たらないものも含むとしています。取得されたと確定したのではなく、おそれがある段階です。

Q自分は対象ですか?
A

発表には、対象の利用者への個別の連絡方法や、対象かどうかを確かめる方法は書かれていません(10月26日に確認)。約619万件は人数ではなく件数で、何人分かも書かれていません。FXなびを使ったことがある人は、対象に含まれている前提で備えてください。確かめたいときは、発表に載っている問い合わせ窓口(fxnavi-202610@greenmonster.co.jp)を使います。

Qパスワードやクレジットカード、口座の情報は漏れましたか?
A

同社によれば、氏名・住所・電話番号・生年月日・クレジットカード情報・銀行口座情報・マイナンバーは、FXなびに登録できる項目に含まれていません。一方、「ログイン用の認証情報」は対象の項目に含まれます。同社は、修正前に発行したログイン用の認証情報をすべて無効にしたとしています。発表に「パスワード」という言葉はなく、認証情報の中身は書かれていません。

Q原因は何ですか?
A

同社は、第三者がユーザー情報等を取得できた原因は「本アプリのAPIの機能によるもの」だと確認したとしています。どの機能のどのような問題かは公表されていません。同社はAPIの機能を修正し、外部の専門家の助言を受けながら原因と影響範囲を調べており、具体的な再発防止策は調査結果を踏まえて改めて知らせるとしています。

QFXなびやグリーンモンスターを名乗る連絡、投資の勧誘が来たら?
A

心当たりのないメールのURLや添付ファイルは開かないでください。同社は、メールやメッセージでパスワード・金融機関の口座情報・クレジットカード情報を尋ねることはなく、投資の勧誘もしないとしています。FXなびを名乗る投資の勧誘、取引ツールやシグナル配信の案内、グループへの招待は、本物ではないと考えてください。XのIDも対象のため、XのDMにも同じ注意が必要です。

Q4月の取得と、10月17日の不正アクセスは同じものですか?
A

同社の発表では別のものとして書かれています。10月17日に確認した不正アクセスでは、ユーザー情報等の漏えいは確認されていないとしています。その調査の過程で、4月27日20時26分頃から30日14時26分頃にかけて、10月の不正アクセスとは別のIPアドレスの第三者が、アプリからユーザー情報等を継続的に取得していたおそれが分かったとしています。両者の関係は書かれていません。